4代目に乗って改めて噛み締める ジープラングラーのほかにはない・絶えない魅力【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

4代目に乗って改めて噛み締める ジープラングラーのほかにはない・絶えない魅力【テリー伊藤のお笑い自動車研究所】

 ベストカー本誌で30年も続いている超人気連載「テリー伊藤のお笑い自動車研究所」。過去の記事を不定期で掲載していきます。4代目ジープラングラー(2018年-)試乗です!(本稿は「ベストカー」2019年2月10日号に掲載した記事の再録版となります)

撮影:西尾タクト

■世の中には「変わってはいけないクルマ」がある

11年ぶりにフルモデルチェンジした4代目 ジープ ラングラー(アンリミテッド・8AT・494万円)に試乗。ボディサイズは全長4870×全幅1895×全高1845mm、ホイールベース3010mmと大きくなった
11年ぶりにフルモデルチェンジした4代目 ジープ ラングラー(アンリミテッド・8AT・494万円)に試乗。ボディサイズは全長4870×全幅1895×全高1845mm、ホイールベース3010mmと大きくなった

 もう20年ほど前の話だが、ベストカーのこの連載で初めてジープラングラー(2代目)に乗り、「俺が探していたクルマはこれだったのだ!」と目が覚めた。

 当時の私はさまよえる旅人で「俺は次に何に乗ればいいのか? 俺が乗るべきクルマはなんなんだ!」と本気で頭を抱えていたのだ。

 しかし、初めてラングラーを経験し、「なんて素晴らしいクルマだ! こんなクルマが世の中にはあったのかァ!」と衝撃を受けた。

 その1週間後には契約書にハンコを捺し、晴れてラングラーオーナーに。

 その2代目は2台乗り継ぎ、1台は今も所有していて、たまに乗るとあの時の感動が甦る。そんなラングラーライフを送っているのだ。

 で、新型の4代目が今、目の前にある。

 ついこの間先代モデルに乗ったような気がするが(2018年7月10日号)、今回は新型である。

 ラングラーばかり用意するのは編集担当の私に対する忖度なのかと思ったが、「あれ、そうでしたっけ?」と言うから忘れていただけみたいだ。

 50を過ぎると白髪が増えて記憶力が怪しくなる。悲しいことだがそれも人生というものだ。

 そんな話はどうでもいい。

 新型のデザインは先代モデルと見分けがつかないほど変わっていない。ベンツGクラスもそうだったが、世の中には「変わってはいけないクルマ」というものがあるのだ。

 せっかく新型になったんだから変わってほしいという意見もあるかもしれないが、人間の感性なんてそう変化するものでもないわけで、やはりこの「どこから見てもラングラー」というデザインがふさわしい。

デザインは超キープコンセプトだが、中身は大きく進化している
デザインは超キープコンセプトだが、中身は大きく進化している

 ルーフをバコッと外せるのもそのままである。

 ただ一点、エンジンが4気筒の2Lターボになっているという。

 伝統のV6エンジンもあるが、主力は2Lだそうで、エンジンの小型化はここまで進んでいるのかと驚く。

 もちろん、2Lターボで走りにまったく問題はない。それどころか、燃費計を見ていると都内を走って8km/L台となっているのだから素晴らしい。

 ラングラーは最高のクルマだが、燃費の悪さだけが弱点。それが解消されたのであれば、2L化は大歓迎だ。

 ただ、ボディが大きくなったのは残念。先代に比べて全長が165mm、全幅が15mm大きくなっているそうで、デザインはあまり変わっていないが「ちょっとボテッとしたな」という印象はある。

 エンジンを小さくしたのであれば、サイズもスリム化してほしかった。自動車業界にもライザップが必要なのではないだろうか。

 伝統のラダーフレームはもちろん健在だ。

 私は無類の「ラダーフレーム変態」だからわかるのだが、先代モデルよりもラダーフレームのクセが強まっているように思える。

 車体がブルブル震える独特の乗り味。

 ジムニーは新型になってその味が薄まったように思ったが、ラングラーは強まっている。変態にはたまらない走りである。

ルーフは取り外した後、専用ケースに入れてトランクにしまえるようになった。大進化だ(笑)!
ルーフは取り外した後、専用ケースに入れてトランクにしまえるようになった。大進化だ(笑)!

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