ホンダWR-Vを眺めていると「こんなクルマを待っていた」という思いに駆られる。なんでか。WR-Vが最近のホンダ車には珍しい「ちょうどいい感」に満ちているからだ!
文と写真:ベストカーWeb編集部
■ヴェゼルとほぼ同じボディサイズで209万円から!
発売以来、快進撃を続けるホンダWR-V。発売1か月で1万3000台を受注し、5月の販売データでは3063台を売って19位にランクインした。ZR-V、ヴェゼルも合わせたホンダのSUV3兄弟の中ではまだ最下位だが、トップに躍り出る日は遠くないと思われる。
なんでWR-Vが売れるのか?
一つは間違いなく価格だ。世の中にいいクルマは数多いが、最近「これなら手が届く」と思わせるクルマが本当に少ない。
WR-Vはインド生産のメリットをうまく活かして209万8800円という価格を実現した(X)。これで衝突被害軽減ブレーキや運転支援システム、フルオートエアコンなどが付くのだからいうことなし。純正のディスプレイオーディオを付けても、9万7900円のアップで済む(アタッチメント含む)。
安いとなると車格的には小ぶりなモデルが多いがWR-Vは違う。WR-Vのボディサイズは全長と全幅が兄貴分のヴェゼルとほぼ同じ(全長4325mm×全幅1790mm)。車高とホイールベースはむしろヴェゼルより大きいので(全高1650mm、ホイールベース2650mm)、実に堂々としたいでたちだ。
その堂々としたボディが使い勝手にも表れている。
筆者はヴェゼルの後席に座るとき、頭をピラー部分にぶつけがちなのだが、WR-Vはドア開口部が後ろまでしっかりえぐれていてそれがない。シートに座ってもWR-Vは膝前と頭上にゆとりを感じられるし、後席用エアコン吹き出し口まで装備しているのだ。
■インドにあるツートーン仕様を日本にも!
そればかりじゃない。ラゲッジルームもデカい。数字でいうなら458L。これはヴェゼルの404Lはもちろん、ZR-V(ガソリン)の408Lすら凌ぐのだ。
パワートレインについては正直贅沢さはない。1.5L自然吸気ガソリンエンジン+前輪駆動という単一構成だ。とはいえ、この4気筒エンジンは実用領域がトルクフルで使いやすい。燃費はWLTCモードで16.4km/Lと凡庸だが、車両価格の安さが日々のガソリン代を埋め合わせるともいえる。
というわけで、WR-Vの「ちょうどいい」感がお分かりいただけただろうか。かつて初代フリードを世に出したとき、ホンダは「ディス・イズ・サイコーにちょうどいいホンダ!」とショーン・レノンに言わせたが、SUV全盛となった今、サイコーにちょうどいいのはWR-Vじゃないかと筆者は思う。
人気が災いしてか、WR-Vでもっとも安い「X」グレードは受注を一時停止している状態だが(2024年6月17日現在)、約25万円高い「Z」でも買い得感は十分にある。願わくばインドモデル(現地名:エレベート)にあるツートーン仕様を日本にも入れて、その魅力をもっと高めてほしいものだ。
【画像ギャラリー】上位車種も蹴散らすWR-Vのお姿をじっくり見て!(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方