スタイリッシュかつスポーティなデザインへと大変身を遂げたトヨタ新型「プリウス」。2024年6月17日から生産再開となっているプリウスだが、生産停止措置となる前の2024年3月には、ひと月で11,316万台が登録されるなど、カローラ、ヤリスに次ぐ、トヨタの大人気モデルだ。
そんな大人気モデルプリウスで今後期待したいのが、そのスポーティなスタイルを存分に活かした「GRプリウス」のラインアップだ。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、2023年6月に、新型プリウスをベースとしたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」(以下、GRエディション)を世界初公開しているが、1年経ったいまも市販化のウワサは聞こえてこない。はたして、このGRエディションが市販化される可能性はあるのだろうか。
文:吉川賢一/写真:TOYOTA
耐久レースで培った技術がふんだんに!!
このGRエディションは、2023年に100周年を迎えたル・マン24時間レースへの感謝を込めて、「100周年記念モデル」としてTGRが製作したモデルだ。GR010と同じ意匠のRAYZ製10本スポークホイールや、専用エアロパーツなど、ところどころにWEC参戦車両GR010 HYBRIDからインスパイアされたアイテムが投入されている。
フロントフェイスは、エアインテークを大きく広げたデザインにカスタムされており、バンパーサイドには夜間走行の視認性向上を発揮する、片側4灯のマルチヘッドランプを追加。軽量カーボンボンネットフードも採用し、車高も30mm下げたことでさらなる低重心化を図るとともに、サイドスカートの整流効果により、フロア下に流れ込む空気を車両後方へ流し、走行安定性とトラクション性能も向上させている。車両全体で大きなダウンフォースを得るため、フロントバンパーサイドのカナードやカーボン製リアウイング、リアカナード、リアバンパー下ディフューザーなども装着している。
さながら、耐久レースのナイトセッションを走るマシンのようなデザインで、耐久レースで培った技術を元に開発した、TGRの「本気」が感じられる仕上がりだ。
GRエディションの本気のカスタムは、求めるユーザーが少なくないはず!!
プリウスGRエディションはあくまでコンセプトカーであり、この姿そのままでの市販化はさすがに難しいだろう。ただ、改造度を落としたカスタムカーの「GRプリウス」であれば大いに考えられるのではないだろうか。トヨタは今回の新型プリウスを発表した際、「長く愛してもらえるクルマにしたい」としていた。プリウスユーザーには、日常の足として使用される人も多いと思うが、特にスポーティに生まれ変わった今作では、ちょっとスポーティに走りたいというユーザーも少なくないと思う。先代の50系プリウスにプリウスPHV GRスポーツがあったように、今回も、「プリウスGRスポーツ」が誕生する可能性は十分にあると考えられる。
それが難しい場合でも、部品単位でもいいから実現してほしいと思う。すでに新型プリウスには、フロントスポイラーやテールゲートスポイラー、パフォーマンスダンパー(車両前後にひとつずつ)、スポーツサイドバイザー、ドアスタビライザーなど、TRDが開発したGRパーツが用意されているほか、モデリスタからもエアロパーツが販売されるなど、カスタム・ドレスアップ需要に応えるパーツは数多く揃っているが、さらに個性を主張したいユーザーにとっては、このGRエディションのような本気のカスタムカーやカスタムパーツは、かなり魅力的に感じるはずだ。
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