シビック タイプRの心臓部といえば名機K20Cだが、このエンジン、シビックタイプRの専用品だと思ってないだろうか? 答えはノー! 実は北米仕様のインテグラに、タイプRのようなすごいモデルが登場したのよ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:アキュラ
■タイプRのエンジンを移植したインテグラ タイプS
シビック タイプRの走りを支えるエンジンといえば、名機K20C。330psを誇る2Lツインカムターボだが、このエンジン、実は他車にも搭載されている。
そのクルマこそが、北米アキュラのインテグラだ。かつては日本でも人気を誇ったモデルだが、北米では独自の進化を遂げ、全長4.7m級のスポーツクーペ(5ドアハッチバック)として若いユーザーからも人気を得ている。
タイプRのエンジンを積んでいるのは、2024年6月に追加された「タイプS」というモデル。
このタイプS、外観からしてノーマルとは違う。ワイドタイヤを収めるため、フェンダーを2.8インチ(約7cm)拡幅しており、全幅はほぼ1900mmもある。参考までに全長は4724mm、全高は1407mm。ホイールサイズは19インチで、265/30R19というファットサイズを履く。
Aピラーより前は、ボディパネルもすべてタイプS専用となっている。開口部の大きいフロントグリルはエアインテーク付きアルミボンネットと相まって、冷却効率が170%改善しているという。
リアフェイスも迫力が違う。テールパイプはシビックタイプRにも似た3本出し。さらにグロスブラックのディフューザーとテールスポイラーにより、ダウンフォース量も高まっている。
■シビックとインテが買えるアメリカが羨ましい!
タイプR譲りのK20Cエンジンだが、日本製ではなくアメリカ製。オハイオ州のアンナエンジン工場で組み立てられ、同州メアリーズビルの車体工場でシャシーと合体する。
そのスペックだが、北米スペックでは320psとなっており、日本よりも10ps低い。実は北米ではシビック タイプRの最高出力も315psに留まっており、日本仕様とは微妙に違う。SAEによる計測方法の違いなのか、あえてスペックダウンさせているのかは不明だ。
アキュラはこのインテグラ スペックSのスポーツ性をアピールしようと、各地のモータースポーツイベントにも積極的に挑んでいる。
最近では6月にアメリカのコロラド州で行われたパイクスピーク・ヒルクライムにも挑み、初参戦したIMSAドライバーのキャサリン・レッジがタイムアタック1部門でトップ5に入賞した。日産GT-Rやポルシェ911などを向こうに回しての大健闘といえる。
それにしてもシビック タイプRとインテグラ タイプSの両方を売っているアメリカは羨ましい。内燃機関の咆哮を楽しめるのはそう長くなさそうだから、日本にもインテグラ、入ってこないだろうか。
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