ついに日産から正式に生産終了が宣言された日産 GT-R。新車で買えないなら中古を狙うしかないが、GT-Rの中古価格は、現状でも庶民には手の届かない高値安定状態にある。では今後の価格推移はどうだろうか。爆上がりか? 安定か?
※本稿は2025年3月のものです
文:伊達軍曹/写真:日産、ホンダ、レクサス、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年4月26日号
直近5年間の中古車相場動向
物件ごとの価格はグレードや年式、コンディションに応じて千差万別だが、全体としての平均価格は、この4~5年で確実に上昇している。
具体的には、2021年4月の平均価格は約914万円だったが、2022年4月には約1300万円を突破。そして直近の平均価格は「約1560万円」となっている。
この上昇は、近年登場したNISMOスペシャルエディション等々が平均を押し上げているという側面もあるが、一般的なスペックの標準グレードがなかなか値を下げず、むしろジリジリ上げてきているからという要因のほうが強い。
中古相場の傾向と対策
この4年間で中古車平均価格が約1.7倍になったという事実や、新車がオーダーストップとなったことによる消費者マインドの中古車回帰。
そして過去の名作スポーツカーが絶版になった後の価格推移や、世界的な「非エレクトリックで非自動運転的なクルマの再評価」の気運などを見る限り、R35型日産 GT-Rの中古車相場は「上がる」という見通ししかない。
もちろん一部の過走行車や、ちょっといただけないニュアンスの改造が施されてしまった個体などは、総額400万円台になるという未来もあるだろう。
しかし筆者を含む多くの自動車愛好家が「欲しい!」と思える個体の価格は、大幅に値上がりする可能性こそあれ、大幅に値下がりする可能性というか理由がない。
「絶版となった後の希少価値が思ったほどは出ず、相場は長らく小康状態を保つ=平均価格1500万~1700万円ほどで推移する」となることは考えられる。が、年を追うごとに「コンディション良好な個体は微妙に値上がりしていく」という可能性のほうが高いと、個人的には確信している。
もちろん何事も“未来”のことは誰にもわからないが、ひとつだけ確実に言えるのは「クルマという機械は、置いておいただけでも微妙に劣化していく」ということだ。
R35型GT-Rは万人にオススメするタイプのクルマではないが、もしも本気で欲しいのであれば、可能な範囲で速やかに購入するべきだろう。
GT-R以外も……日本のビッグネームの中古車動向
R35型GT-Rと並ぶビッグネームといえば、まずは初代ホンダNSXだろうか。こちらは約50台が流通しており、平均価格は1100万円といったところ。とはいえMT車は高く、良質な物件は総額1500万円以上である場合が多い。
2代目NSXは、約20台のみが平均約2700万円で流通中。人気ははっきりいって今ひとつだが、中古車価格は確実に高い。
残るビッグネームであるレクサス LFAは数台の流通しかなく、価格表記もすべて「応談」。海外オークションでの落札価格から類推すると、売価は軽く1億円を超えるはずだ……!
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