バイク置き場に電源がなければバッテリーを取り出さなくてはならないが……
車両接続コードをバッテリーに常時繋いでおけば、充電器のコネクターを差し込むだけで充電開始できるのは間違いなく便利です。ガレージや自宅敷地内でバイクを保管しているライダーなら、これでバッテリーメンテナンスも安心です。
しかし共同住宅の駐輪場や、自宅でもバイク置き場にコンセントがない場合はそもそもAC100V仕様の充電器が使えません。
そうしたユーザー向けには、モバイルバッテリーに代表されるポータブル電源で作動する充電器もあります。デイトナの」ディスプレイ付バッテリー充電器ポータブル」はAC100Vと出力60W以上のPD(パワーデリバリー)対応のモバイルバッテリーで作動するため、電源コードなしでも使用できるのが大きな特徴です。
モバイルバッテリーはスマートフォンユーザーに普及しており、中には2個も3個も持っているという人もいます。12Vバッテリーを充電するため、電圧は一般的な5Vだけではなく最大20Vまで出力できるPD対応のものが必要ですが、これなら共同駐輪場でも充電が可能です。
それも難しい場合、車体からバッテリーを取り外して自宅の玄関などで充電器に繋ぐことになるでしょう。近年のバイクは物理的にバッテリーが取り外しづらいことは先に述べた通りですが、バッテリーを外すことで時計やトリップメーターなどのメモリーが消えてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
ツイントリップメーターの一方をオイル交換時期の管理に利用している場合、バッテリーターミナルを外す前に記録しておくといった準備をしておくことも肝心です。
そうした準備の上でバッテリーを取り出す際にも、車種によっては難関が待っていることがあります。
スクーターのバッテリーはシート下のトランクルーム内にあることが多く、トランク容量を少しでも稼ぐために邪魔にならない場所に設置してある車種もあります。これも先に述べたように、メンテナンスフリーバッテリーは電解液の確認や補充が不要なため、日常的に触れる必要がないからです。
また限られたスペースを有効に活用するため車体を設計する際には無駄が極限まで排除され、その結果「取り出したい時に取り出せない」といった問題が生じる場合もあります。ここで紹介するホンダフォルツァ(MF08)の場合、バッテリーはトランク最下部のケース内に完全に収まっており、手で掴んで引き出そうとすれば相当の握力(指力)が必要です。このため純正バッテリーには、梱包用のPPバンドのような「バッテリーリフトテープ」という専用部品が巻いてあり、これを掴んで持ち上げるようになっています。
しかし以前のバッテリー交換時にこのテープが処分されて、バッテリーだけがケース内に落とし込まれてしまっていると厄介です。
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