新「CB1000F」登場前夜!? そのベース「CB1000ホーネット」の詳細メカニズムを確認

新「CB1000F」登場前夜!? そのベース「CB1000ホーネット」の詳細メカニズムを確認

 3月に開催されるモーターサイクルショーは、その年に販売される国内向けのニューモデルが発表される場所でもある。「CB1300SF」の生産中止を受け、今年のモーターサイクルショーではその後継となるモデルが発表される可能性がある。そこで、その新しい「CB」のベースとなるであろう「CB1000ホーネット」を再度見直しつつ、新型「CB」について考えてみる。

 
文/後藤秀之
 

新しい「CB-F」がサイクルショーに登場する!?

 EICMA2024で発表され、2025年1月23日より国内でも販売が開始された、ホンダの「CB1000ホーネット」。スタンダードモデルで134万2000円、SPモデルでも158万4000円という、昨今のバイクの価格を考えると、バーゲンプライスと言える価格もあって販売は好調となっている。

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2025年モデルとして登場した「CB1000ホーネット」は、ストリートファイタースタイルとなってから初めての国内導入。高いスペックを持ちながら、価格設定が抑えられているのが魅力だ。

 「CB1000ホーネット」はヨーロッパをメインターゲットとしたモデルであり、そのスタイリングはいわゆるストリートファイタースタイルだ。日本国内においてもストリートファイターは一定のファン層が存在するが、カワサキの「Z900」と「Z900RS」の販売状況を見ればストリートファイターよりも古典的なネイキッドスタイルの方が人気が高いということは明白だ。カワサキは「RS」を「レトロスポーツ」と再定義している。

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ネオレトロ路線のトップを突き進むカワサキの「Z900RS」だが、登場から7年を数え、ベースとなる「Z900」は2025年モデルでフルモデルチェンジされた。こちらも新型の登場が近いのか?

 この「レトロスポーツ」路線モデルとして、ヤマハは「MT-09」ベースの「XSR900」を、スズキは「GSX-S1000」ベースの「カタナ」をリリースしている。ホンダにも「CB1000R」がラインナップされていたが、「Z900RS」の登場よりずっと以前から存在する「CB1300SF」という正統派ネイキッドモデルを超えることはできず、2024年に生産中止となった。

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「CB1000R」はストリートファイタースタイルだった先代モデルからネオレトロ路線に変更。デザインは「ドリームCB750FOUR」をイメージさせる。

 その「CB1300SF」も生産中止が発表され、つい先日ファイナルエディションの販売がアナウンスされた。これは排出ガス規制が主な理由ではあるが、2003年に登場した現行モデルが既に発売から22年を数えることもあるだろう。しかし、「CB1300SF」の人気はいまだに高く、レトロスタイルのネイキッドモデル市場に活気がある以上、ホンダがそれを見過ごすとは考えにくい。そこでやはり期待したいのは、「CB1000ホーネット」ベースの「CB-F」シリーズのデザインを受け継いだモデルだろう。実際、発売までは至らなかったものの、「CB-Fコンセプト」というモデルが2022年に既に提案されている。

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つい先日発表された「CB1300 SUPER FOUR SP Final Edition」のファイナルエディション。初代の「CB1000SF」のカラーリングが再現した「パールサンビームホワイト」となる。

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こちらもファイナルエディションとなる「CB1300 SUPER BOLD’OR SP Final Edition」。SF、SB共にスタンダードは「グラファイトブラック」となる。

 「CB1000ホーネット」をベースにした新しい「CB-F」の噂は既にWebike+でも何度かスクープしてきたが、早ければ3月に開催されるモーターサイクルショーに展示されるかもしれないという話が飛び込んできた。そこで、もう一度そのベースとなるであろう「CB1000ホーネット」の各部を検証し、新しい「CB-F」シリーズについて考えてみる。

 
 
 

フラッグシップ譲りのパワーユニットと先進の電子装備

 「CB1000ホーネット」のパワーユニットは2017年型のCBR1000RRがベースとなっており、言ってみればホンダのフラッグシップモデルの血統にある。この999ccのDOHC4バルブ直列4気筒エンジンは、スタンダードで最高出力112kW(152PS)/11000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgm)/9000rpm、SPが最高出力116kW(158PS)/11000rpm、最大トルク107N・m(10.9kgm)/9000rpmを発生する。この出力の差を生み出しているのはエキゾーストシステムに設けられたRevolutionary Controlled(RC)バルブで、このバルブは5700rpmで完全に開いて排気効率をアップすることでさせなる高出力、高トルク化を実現している。

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「CB1000ホーネット」のエンジンは、2017年型CBR1000RRがベースとなり、スタンダードの最高出力は、112kW(152PS)SPは116kW(158PS)/11000rpmとなる。

 このパワーユニットは、新開発のダイキャスト製ピストンの採用やバルブタイミングおよびバルブリフト量の最適化を行ない、トランスミッションとファイナルギアレシオに専用セッティングを施すことで、低・中速域のトルク特性と出力特性を高いレベルでバランスが図られている。また、スロットルバイワイヤを採用することで、「レイン」、「スタンダード」、「スポーツ」というデフォルトの3つのライディングモードと2つのユーザーカスタムモードの設定が可能となる。アシスト&スリッパークラッチややホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)、SPにはクイックシフターなども装備されている。

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ホーネットのエンジンに使われるピストンは新開発のダイキャスト製で、形状を最適化しつつ軽量化も実現している。

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低・中速域の力強いトルク特性と高回転域での最高出力を最適化するために、バルブタイミングとバルブリフト量が変更されている

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エアクリーナーボックスは専用設計され、ファンネルから吸気ポートまでの吸気経路を直線的に配置して吸気抵抗を低減し、吸気空気の密度を高めている。

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SPのマフラー内部には可変バルブが設けられ、エンジンの回転数に合わせてバルブの開度をECUで制御。排気ガスの圧力を常に最適化し、低回転域での力強いトルク特性と高回転域での出力の向上を両立している。

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SPにはクラッチレバー操作不要でシフトアップ/ダウンができるクイクッシフターが標準装備される。オートブリップ機能により、スムーズで素早いシフトが可能だ。

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クラッチレバーの操作荷重を軽減し、シフトダウン時のエンジンブレーキによるショックを低減するアシスト&スリッパークラッチを装備する。

 このパワーユニットに関してはほぼそのまま新しい「CB」にも搭載され、SP仕様もラインナップされる可能性が高い。最大のライバル「Z900RS」に差をつけるこのスペックは、新しいCBをクラストップに押し上げる原動力となるかもしれない。

 
 

完成度の高い車体はフレームとタンクのデザイン処理がキモ

 「CB1000ホーネット」のフレームはスチール製のツインスパータイプで、従来モデルよりもねじれ剛性をアップすることでハンドリングの向上が図られている。フレームに関しても新しい「CB」は基本的に同じものを使用する可能性が高いが、ネイキッドモデルとした場合に若干サイドにフレームが露出することになりそうなので、ここのデザイン処理が新型のデザインのカギになりそうな気がする。言い方は悪いが、メーカーとすればできるだけ専用部品を使わずに「着せ替え」ができるのが当然望ましい。だからといって、中途半端なデザインにしてしまえば販売に響いてくる。タンク周りのデザインは、間違いなくデザイナー泣かせのポイントだろう。

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フレームは高剛性としなやかさを併せ持つスチール製のツインスパータイプで、全体の剛性を最適化することで高出力を受け止めつつ俊敏で軽快な走行フィーリングを生み出す。

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リアサスペンションは高剛性のアルミ製スイングアームと、分離加圧式シングルチューブショックをプロリンクと組み合わせている。

 サスペンションはフロントが41mm径のショーワSFFBPフルアジャスタブル倒立フォーク、リアショックはスタンダードがショーワ製で、SPにはオーリンズ製のTTX36が採用されている。フロントブレーキはスタンダードがニッシン製4ポット、SPはブレンボのStylema4ポットで、どちらもラジアルマウントされる。リアブレーキはスタンダード、SP共にニッシン製シングルポットキャリパーを採用、ディスクローターはフロント310mm径、リアは240mm径となる。

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フロントサスペンションはショーワ製SFF-BP倒立フォークで、右側に減衰機構とスプリング、左側をスプリングのみとして摺動抵抗の低減と軽量化を実現している。

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SPのリアショックには、伸び側と圧縮側のオイル通路が独立して設定されたオーリンズ製のTTX36を採用。よりきめ細やかな減衰力調整が可能となっている。

 足回りに関してもほぼホーネットを踏襲することが考えられ、新しい「CB-F」はスーパースポーツに迫る走行性能が期待できるばずだ。

新しい「CB-F」に何を期待するのか?

 デザインに関しては「CB-Fコンセプト」が非常に魅力的であったので、このネイキッドスタイルと2007年の東京モーターショーに展示された「CB1100Rコンセプト」のようなカウル付きの二本立てに期待したい。2007年のコンセプトモデルは同時に発表された「CB1100F」のコンセプトモデルが市販モデルとして登場したこともあり、以来18年待ち望んでいる人がいるはずだ。

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