BMW Motorradは、ドイツ・ミュンヘンで開催中のIAAモビリティ2025にて、「未来の都市型二輪モビリティ」を示す「Vision CE」を発表した。安全構造「ケージ」を採用し、ヘルメットや防護服なしでの走行を可能にする革新的なEVだ。
ヘルメット不要の新しい都市モビリティ像
BMW Motorradが発表した「Vision CE」は、都市環境での新しい二輪移動を提案する電動ビジョンモデルだ。排出ガスゼロの電動ドライブを備えるだけでなく、最大の特徴はヘルメットや専用ウェアなしで走行できる安全設計にある。
車体中央には金属チューブ複合構造「ケージ」を採用。シートベルト付きシート構造と組み合わせることで、高い安全性と安心感を確保する。また、車体は低重心かつロングホイールベースの設計で、開放感のあるフレーム形状とアルミ素材の使用が軽快な印象を与える。マットホワイトとブラックのコントラストに、ネオンレッドのアクセントを加えたカラーリングも特徴だ。
実はBMWは、2000年代初頭に安全車体を持つ「C1 125」で同様のアプローチを実現済。この時はガソリンエンジンだったものの、強化ガラスと金属フレームでライダーが守られるモビリティというコンセプトは同じ。Vision CEでは現代的デザインと最新技術により「C1」を再解釈。パワーユニットやシャーシのベースはEVスクーター「CE 04」に類似しているが、Vision CEには、停車時に車体が自動でバランスを保つ機能も追加。これにより、取り回しや停止時の不安を軽減し、都市内移動における利便性を高めている。
BMWは2014年に「C evolution」で電動スクーター市場に参入し、2022年のCE 04、2024年のCE 02と革新的モデルを続けて投入してきた。Vision CEはその延長線上にあり、未来のシングルトラック・モビリティを示すコンセプトとして位置づけられており、現在のところ市販予定はないようだ。とはいえ、BMWが発表したオフロードシーンを軽快に走るバギーのような使用法や、釣りなどアウトドアアクティビティで活躍する姿、ぜひとも実際に目にしたいもの。とはいえ、かつての「C1 125」は国内では保安基準を満たさず、ヘルメット着用が義務だった。本機が登場する暁には、日本でもヘルメットなしで楽しめるとよいのだが……?
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