輝度を自動調整、太陽が正面にあってもハッキリ見える!
撮影を兼ねてSHOEI本社のある秋葉原近辺から台場の東京ビッグサイト付近まで走行してみた。
その後も様々な状況でテストしたが、結論から言えば、きちんと使えて安全性にも貢献できる、というのが率直な感想だ。
まずスカウターの表示がクッキリ見えるのがいい。情報は右寄り下側に浮かび、感覚としては左右3cm程度の大きさ。SHOEIによると「約9m先に情報が浮かび上がる設定」とのことだが、筆者には60cmぐらい先の距離に感じた。
なおメガネとコンタクトレンズで試したところ、どちらも見え方は良好。筆者は老眼でもあるが、全く問題なかった。
しかも周囲の明るさに関わらずシッカリ表示が見える。筆者が別のスマートヘルメットをテストした際、周囲が明るいとスカウターが光を透過して表示が読み取れないことがあった。
一方、オプティクソンはチンガードのセンサーが光を読み取り、輝度を自動調整する。太陽を正面から見た際も、しっかり表示が視認でき、これには感心した。暗くても表示はしっかり確認可能で、むしろ暗い方がハッキリ見える。
ただし左横方向から強い光が射した際など若干見えにくくなる場面もあったが、基本的に表示は常にクリアだった。
スカウターの表示と音声を頼りにアッサリと目的地へ到着できた
ナビは、曲がるまでの距離と方向(矢印)、交差点名を表示。メインスイッチを押すと、上部セクションにある目的地までの距離、到着予定時刻、時計、ヘルメットのバッテリー残量、スマホのバッテリー残量と表示を切り替えられる。
曲がるポイントが近づくにつれ、矢印の色が青→オレンジと変化するのがわかりやすい。さらに音声ガイドがあり、曲がる方向と交差点名のほか、「左2車線を利用してください」「カーブが連続します」などの親切な案内も特徴的だった。
音声は走行中ながらよく聞こえる。自然かつクリア寄りの音質で、スマホの音楽もしっかり楽しめた。
なおマイクを内蔵しており、音声入力やスマホでの通話も可能。着信があった場合、相手の電話番号がスカウターに表示され(スマホに登録されていれば名前を表示)、メインスイッチの短押しで電話に出られる。
ただしブルートゥースインカムの機能はなく、他のライダーのインカムと通話したい場合はLINE通話などを使う必要がある。
なおナビアプリは、グーグルマップよりは電波が途切れやすく、時折リルートしていたが、問題なく目的地に着けた。ナビの音声だけでも走行は可能だけど、やはり矢印や交差店名を目で確認できるのはより安心できる。
視野を確保したまま情報を得られるのがポイント
オプティクソンは、ヘルメットとしての基本性能も申し分ない。パーソナルフィッティングもあり、ホールド感は極上。風切り音や周囲からの音が静かなので、音声も聞きやすいようだ。ベンチレーションは、開閉式の吸気孔が口元と額、常時開放式の排気孔が後頭部にあり、熱気がこもりにくい。
重量は1797g(Lサイズ)。同社システムヘルメットのネオテックIIと同程度だ。デバイスを内蔵しながら重量バランスも良好で、さすがのSHOEIクオリティと言える。
また、実走テストを何度も重ねたとのことで、細やかな気配りが随所に見られる。ケーブルが外れにくいロック機構やバタつきを抑えるホルダー、スカウターの跳ね上げ機構、スイッチの操作性などが使い勝手に貢献している。
ナビに関しては経由地スキップが便利だった。経由地を過ぎてもずっとリルートし続ける場合があるが、スマホを直接さわらずにオプティクソンのスイッチ操作でスキップできる。
筆者にとって、視界を確保したまま情報を得られるのがオプティクソン最大のメリットと感じた。
私は普段スマホをハンドルにマウントしてナビとして使っているが、どうしても画面を見るために視線を下に向けてしまいがち。周囲の視野が狭くなって危険だが、オプティクソンなら正面を向いたまま、瞳のピント調整でナビの情報が得られる。安全性に大きく貢献してくれるはずだ。
また、マウントしたスマホが振動で故障するケースがあるが、マウントせずに済むのもメリットだ。
ただしスカウターの表示が気になったり注視してしまい、運転に集中できない人もいるかもしれない。これは人によると思われるが、筆者は大丈夫だった。
コメント
コメントの使い方