合体換装でジャンルも性能も変化する3輪バイク「Raptor」登場

合体換装でジャンルも性能も変化する3輪バイク「Raptor」登場

今や国民的ロボットアニメといって差し支えないほど、長い歴史を誇る機動戦士ガンダムシリーズ。そこにはファーストガンダムにおけるGファイターやガンダムSEEDにおける各種ストライカーパック等、合体/換装してモビルスーツの魅力をアップさせるサポートメカが登場する。そんなギミックにロマンを感じる人たちなら注目せずにはいられない前2輪/後1輪の3輪EV が今、市販に向けて開発中だ。

 
 
 


 上部ユニットと下部ユニットの組み合わせで様々なモビリティに変化



それが今回ご紹介するROIDZ TECHの「Raptor(ラプター)」。次期仮面ライダーや戦隊モノのマシンといっても違和感がないくらいSF チックなスタイルが目を引く一台だが、革新的なのはそこだけではない。

 一番の仕掛けは車体上部のデザインユニットと車体下部のベースユニットがワンタッチで分離でき、それぞれ複数用意される予定であるということ。つまり、上部/下部ユニットの組み合わせによって、まったく異なるスタイルや性質のモビリティに換装することができるのだ。



 しかもROIDZ TECHでは驚くことに、デザインユニットの仕様を公開することで、メーカーはもちろんのこと、個人のクリエイターやビルダーでも設計開発を可能にしようとしている。普及が進めば、ガンプラのように個人個人が思い思いのRaptorを組み上げて楽しむことができるというわけだ。モビリティの新たなプラットフォームを作ろうという意気込みを感じる。



 現状、ROIDZ TECHからはデザインユニットで4種、ベースユニットで2種の設計案が公開されている。特にボストン・ダイナミクスのSpotに代表される、四脚ロボットタイプのデザインユニットが変形しつつ、ベースユニットと“合体”することで走行性能をアップさせる様は、ロボットアニメで描かれたロマンを現実にしてくれている。



 また一部地域で実用化が始まった自動配送ロボット化を前提とした設計案も面白い。こちらは自動運転も視野にいれているためか、デザインユニットは完全なボックスとなっており、内容物の安定性を高めるためか、ベースユニットは前1輪/後2輪のトライクタイプとなっている。

 
 
 

ヤマハのLMWに次ぐ独自のリーン機構

現状発売に向けて制作されているのは、最高時速40km/hの原付き区分3輪モデルのみ。この車体で採用された前2輪/後1輪の3輪ベースユニット機構もまた独特だ。ヤマハのトリシティやNIKENといったLMWと同様に、Raptor も操舵や荷重移動によって車体が傾くため、こちらもれっきとしたバイクなのだ。ただし、こちらはヤマハのそれとは違い、可変式差動リーンダンパと呼ばれる独自機構となっている。



ざっくりいうと、左右のスイングアームに接続されたリンクがハンドルの動きに合わせて前後することで、左右のタイヤに内輪差が生じ、車両が傾くといった具合だ。左右のスイングアームがアクスルシャフトでつながっていないとはいえ、機構としてはBimota が伝統的に採用しているハブセンター・ステアリングに近いといえそうだ。

 もっとも左右のホイールを制御する機構が左右で独立しているためか、バンク角は最大で30°となっている。ヤマハのLMWが38°~45°というバンク角を実現していることを鑑みると、若干浅い。基本的には低速走行をメインとした、シティコミューターとして設計されているといえそうだ。

 とはいえ、可変式差動リーンダンパにはLMWにはない機能もある。それはバンク角やバンクするために必要な力、バンクの速さをすべて設定可能だということ。バンク角にいたっては0°、つまりほぼ固定することで、トライク的な乗り方にも対応できるのだ。ユーザーニーズに幅広く対応しようという試みなのだろう。


 クルマの免許でも乗れる3輪バイク



これからの展開が楽しみなRaptorは、第1弾となる3輪バイクが2024 年中の販売に向けて開発中。価格はミドルクラスのバイク程度を予定しているというので、原付区分の車両とみた場合には少々高価なのは否めない。合体換装のギミックや将来性にロマンを感じるかによって評価はわかれそうだ。

それでも個人個人のセンスを生かせる、EVの新しいプラットフォームを構築しようという意欲にはどこか惹かれるものがある。ROIZ TECH のこれからの取組みに注目したい。

ROIZ TECH Raptorスペック

  • 全長/全幅/全高(デザインユニット+ベースユニット):1,190[mm]/510[mm]/880 [mm]
  • 全長/全幅/全高(ベースユニット):1,150[mm]/510[mm]/440[mm]ホイールベース850[mm]トレッド430[mm]リーン角度0~30[deg]
  • 車両重量:54[kg]
  • 総重量:デザインユニット15.7[kg]/ベースユニット38.3[kg]※ バッテリ含む
  • 巡航速度:0~40[km/h] (速度制限設定可能)
  • 航続距離:40km [km/h] (バッテリー容量/ 負荷状況による)
  • バッテリー電圧:48V
  • 充電時間:~7時間(バッテリー容量、充電器による)

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/387916/

合体換装でジャンルも性能も変化する3輪バイク「Raptor」登場【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=387916

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