あまりに心地よい変速タイミングに、この辺りの制御をどうやっているのか開発陣に尋ねたところ、電子制御スロットルからの情報を“ライダーの意志”と捉え、エンジン回転数や加速度や減速度も加味して、変速タイミングをコントロールしているという。
すごいのはこの加減速の度合いを安易に6軸IMUから取るのではなく、ホイールの速度センサーなどから取っていること。これによりY-AMTはIMUを持たないモデルへの転用も可能 となっている。
ちなみにこのY-AMTは、MT-09が搭載するのと同じ888ccの並列3気筒エンジンを搭載するモデルへの転用が決まっており、その次はCP2と呼ばれる688ccの並列2気筒エンジン搭載モデルに搭載されるとのこと。
気になるのは電子制御スロットルの効用だ。というのも現状、CP2エンジンを搭載したモデルにはまだ電子制御スロットルが搭載されていない。Y-AMTの導入に合わせて電スロ化されるのか? それとも電スロがないぶんやや制御に劣るY-AMTが導入されるのか? 非常に気になるところ。開発陣の話では、“ライダーの意志”が一番はっきりと感じ取れる装置が電子制御スロットルとのことなので、CP2エンジン搭載モデルもY-AMTの搭載を踏まえていずれ電子制御スロットルが導入されるとみて間違いない 。
ちなみに変速時のシフトショックに関しては、“ややある”と感じたところが正直なところ。2速でコーナリングした後に、スロットルをワイドオープンして3速→4速なんて感じで加速した時に、若干駆動が抜けてマシンに若干のピッチングモーションが起きる。
このあたりは2つのクラッチで変速を行うDCTの方が、構造的にもはるかにシームレスなシフトチェンジになる。ただ、この辺りは好みの問題である程度シフトショックがあった方が操っている感覚が得られていいという捉え方もできる。いずれにせよ不快な程のシフトショックではなかったのは事実だ。
今回の試乗はクローズド環境のみで公道環境での試乗はできなかったが、実際にこのMT-09 Y-AMTでツーリングに出かけたり、街乗りしてみたりすると、今回発見した“足によるシフトチェンジの操作をなくしたことによるコントロール性アップ”とはまた違ったY-AMTならではの効用が見つかりそうな予感がある。
MT-09 Y-AMTの価格はSTD比11万円増の136万4000円で9月30日発売!
MT-09 Y-AMT(RN88J )
【全長/全幅/全高】 2090×820×1145mm
【ホイールベース】1430mm
【シート高】825mm
【車両重量】 196kg
【エンジン】水冷4ストローク直列3気筒888cc
【最高出力】120PS/10000rpm
【最大トルク】9.5kg-m/7000rpm
【燃料タンク容量】14L(ハイオク指定)
【変速機】6段リターン
【ブレーキ】F=ダブルディスク、R=ディスク
【タイヤ】F=120/70ZR17、R=180/55ZR17
【販売価格】1,364,000円(税込)
【シート高】825mm(ライダー:身長172cm/体重75kg)
跨り部分がしっかり絞られており、両足の踵がなんとか両側つくぐらいの足着き性。825mmのシート高は変わらないものの、より前輪荷重を増やすため2023モデル(RN69J)に比べてハンドルを低くし、ステップもバックステップ気味に変更されている。ただそこまでポジションはスパルタンになったわけではなく、ツーリングはもちろん、街乗りなどにも使いやすいだろう。
MT-09 Y-AMTのディティール
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/402878/
【ヤマハMT-09 Y-AMT試乗】車体がふらつかずマシンコントロールの精度が格段に向上! STDプラス11万円でコーナリングが上手くなる【画像ギャラリー】
https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=402878
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