熟成の進むデスモセディチ・ストラダーレエンジン
エンジンは先にも触れたように先代からのキャリーオーバーとなるが、重量は1kg強軽くなっている。オイルポンプ、オルタネーター、プライマリーギア、その他のギア類なども可能な限り軽量化。また、元々中空のカムシャフトも、潤滑用オイルの通り道を大きくすることで軽量化に貢献しているという。
カムシャフトのプロファイルは変更され、吸気側0.75mm、排気側0.45mmとわずかではあるがリフト量が上がっている。これは中速域のトルクを太らせるためと考えられる。インテークバルブのフェイスに沿ってシリンダーボアに流れ込んだ新しい空気が、ピストントップにあたって発生するタンブル流をどうコントロールして中間域の充填効率を上げるのかというのがデザイナーが今求めているものなので、そのための変更ではないかと思われる。また、ピストンは従来よりも重くなっている。
そして、気になっている方も多いであろうエキゾーストシステムだが、日本仕様においてもエンジンの下にエキゾーストシステムは完全に収められており、パニガーレ導入時に日本仕様に装着されたサイレンサーなどは必要ないとのことだ。
最新テクノロジーが投入された、スイングアームとサスペンション
現在のモトGPマシンのリーンアングルは65度であり、サスペンション上下に動かすことがほぼできない域にある。そのためフレームでとうやって振動を吸収したりトラクションを高めたりするかがエンジニアの大きな課題になっており、そのテクノロジーは新型パニガーレV4/V4Sにも投入されている。
横方向の強度を落としたダブルサイドスイングアームは、タイムアップに加えて乗り心地がいいと高評価。ちなみにV4Sにおいてはリアパートはホイールを含めて2.7kg軽量化されている。アクスルの締結剛性をアルミ製のチェーン引きを使うことでより高めたことで、ライダーからはホイールベースが短くなったように感じるというフィードバックがあり、バイクの一体感を高める効果があると言える。また、メインフレームの横剛性を下げるためにあけられた穴が結果として軽量化にも貢献しており、ねじり剛性はそのままに横剛性だけ下げられているのは技術的なソリューションと言えるだろう。
サスペンションはオーリンズの電子制御サスペンションが採用されており、V4Sは前後+ステアリングダンパーが電子制御される。ダンピング調整にソレノイドバルブを使った新しいショックユニットは、長いスイングアームと組み合わせてナチュラルな動きを生んでいる。
モトGP由来のテクノロジーを全身に纏い、この世の全ての公道用バイクをサーキットで凌駕するとという新型パニガーレV4/V4S。その実力を日本で体感することができる日が近づいている。
パニガーレV4/V4S主要諸元(2025)
・ホイールベース:1485mm
・シート高:850mm
・装備重量(燃料を除く):191kg[V4]/187kg[V4S]
・エジンン:水冷4ストローク4バルブV型4気筒 1103cc
・最高出力:158.9kW(216PS)/13500rpm
・最大トルク:120.9N・m(12.3kgm)/112500rpm
・燃料タンク容量:17L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-17、R=200/60-17
・価格:323万9000円[V4](税込)/414万1000円[V4S](税込)
詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/410302/
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https://news.webike.net/gallery2/?gallery_id=410302
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