2021年4月に、延長146.5kmあったうちの116kmもの区間が廃止された、JR北海道の日高線。廃止区間に関しては2015年からバス代行を行っていたため、列車が走らなくなって既に10年以上が経過しているが、駅舎やホーム・レール等の鉄道施設は、バス代行期間中〜廃止後もそれなりに残っており、廃線跡巡りには格好の題材になっている。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、2025年の旧・日高線の各所遺構の写真があります)
■路線バスで見に行く旧日高線跡
ここでは、2025年9月現在の日高線関連の遺構を中心とした様子を振り返ってみることにして、なかでも日高線の代替交通である、道南バス/JR北海道バスの路線バスを利用しながら、それほど無理なく見学できた場所に注目してみよう。
バスでも行ける日高線関連の代表スポットとして、まず苫小牧から30.5km地点の鵡川駅が挙げられる。こちらは近隣に温泉施設のある道の駅が営業しているほか、観光での立ち寄りにもぴったり。
とはいえ鵡川駅は引き続き営業している日高線の現役区間の終点であるため、駅の部分に関しては今回のテーマから少々外れるかも…単一路線の現役区間と廃止区間の境界になっている、なかなかどうして風変わりな場所なので一応取り上げておいた。
■今はバスの中継地点・旧静内駅
日高線沿線をバスで移動するにあたって、ほぼ確実に訪れるのが、82.1km地点にあった静内駅だ。こちらは2025年現在のところバスの主要乗り継ぎ地点として機能しており、バス停名は「静内」。
札幌方面から静内駅跡への一般路線バスでのアクセスは、苫小牧駅前もしくは鵡川駅前で、道南バスの静内行きに乗車。苫小牧駅前発で約2時間47分、鵡川駅前発の場合は約1時間33分。
情報センターなど複合施設的な役割を持つ元駅舎の建物がそのまま使われているほか、裏手にはプラットホームやレールが残り、駅舎対向側ホームの上屋撤去や、多少朽ちてきた部分も否めないとはいえ、現役当時の面影はまだ十分伝わってきた。
なお代行バス時代までは入場券を発売していて、それを購入すればホームに入れたのに対して、2021年の正式な鉄道線廃止後は立ち入りができなくなった。
■一気にアクセス困難化!? 旧浦河駅
続いての途中下車対応見学スポットは、こちらも日高線の主要駅の一つだった、130.3km地点の浦河駅。静内始発のJR北海道バス日勝線もしくは道南バスの浦河方面行きを利用して「浦河町役場」で下車する。所要時間は前者が約1時間49分で後者は約1時間10分。
2025年9月時点での様子を窺うと、駅舎とホーム、レール、現役当時から掲げられていた「青色申告と諸税完納宣言の町」のスローガンが印象深い跨線橋ほか、基本的な駅の設備は一通り残っている印象。
日高線の現役時代とは大きく変わったのが駅へのアクセス。ホームと駅舎はバス停の置かれている国道235号沿いではなく、線路を挟んだ駅前通り側に建っている。
鉄道があった頃は前述のスローガン入り跨線橋を渡れば簡単に駅へアクセスできたが、現在は跨線橋自体は残存しているとはいえ閉鎖されているため使えず、元・踏切のあった場所まで500mほど大回りする必要が生じた。
なお、少しでも短い距離で駅舎側へ行きたい場合は、浦河町役場の一つ先「みなと公園」バス停で下車すると200mくらい短縮できる。







