主に東京都北部と埼玉県南部にバス路線網を広げる民営バス事業者の国際興業。白地に濃淡2色の緑を組み合わせ、側面の一部ラインを矢尻状に濃淡緑で塗り分けた車体デザインが特徴であるが、この国際興業カラーとほぼ同じ色を標準色に定めている別のバス会社が全国に何社かある。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWebギャラリー内に、山梨交通の路線バス車両の写真があります)
■山梨にもいる国際興業カラーのバス車両
過去に『バスマガジンWeb』上で、国際興業カラーと非常によく似たカラースキームに塗られた車両を使用している主なバス事業者の例に、東北地方の岩手県交通を紹介した。
今回注目するのは甲信越地方で活動する民営バス事業者の山梨交通だ。同社は1945年に発足。山梨県の甲府市を拠点に、甲府盆地周辺に路線バス網を広げる。
“The Bus of YAMANASHI”のキャッチコピーを掲げ、オンリーワンなシンボルである“The”を冠するだけあり、現在は山梨エリアを代表する老舗バス事業者となっている。
■ほぼ同じだけど、ちょっと違う
山梨交通の一般路線バス車両の最大の特徴はその見た目で、基本的には国際興業の路線車とほぼ同じグリーン系の塗り分けが施されている。
車体の会社ロゴや社名はもちろん異なり「山梨交通」と掲示。側面屋根の肩部分には英語表記が入れられ、少なくとも“YAMANASHI KOTSU BUS”と、“The Bus of YAMANASHI”の2パターンがある。
そのほか、国際興業では殆どの車のホイールが銀色(素材の色)なのに対して、山梨交通の車は車体裾の色と同じ明るいグリーンに塗られているのが、ちょっと違うポイントだ。
■昔はオリジナルカラーでした
さて、山梨交通の路線バス車両の標準色が、国際興業カラーとほぼ同じ色であるのには、何か理由でもあるのだろうか。
山梨交通の歴史を遡ってみると、同社は1960年代初め頃〜2014年までの間、国際興業グループの一員だったことがある。
現在はグループ企業ではなくなっているが、バスの車体色はその名残といった形で、国際興業カラーベースのまま使われているわけだ。
では、山梨交通カラー=ほぼ国際興業カラーになったのはいつ頃からなのか。実は山梨交通は元々、自社が保有している車両に独自の色と塗り分けを施していた。
現在の一つ前の標準色はクリーム地にワインレッドと青色のラインを複数引いたもの、その前はクリーム地に赤とグレーのライン……といった具合で、国際興業グループに入ってすぐ国際興業カラーに変えたわけではなかった。
山梨交通の現在のカラースキームは、本家の国際興業がグリーンの色調を明るいものに変更した1998年の翌年。
1999年に国際興業カラーに塗られた車両を導入し、そのままの色で使ったのを皮切りに、路線車の標準色を国際興業カラーに統一していくよう軸足を移し、今日へと至っている。
■そのバス、どこから来たの?
標準色が国際興業カラーベースであるということは、車両本体もまた国際興業と深い関わりがあるのかも気になるところ。
山梨交通の路線車の全体的なプロファイルを見てみると、新車で導入された車はそれほど多くない印象で、元々は別のバス会社で使われていた車が再就職してくる流れが標準のようだ。
各車両の出身地をざっくりチェックした限り、確かに元・国際興業勢がかなり多い。とはいえ、少数ながらも元・川崎鶴見臨港バスや千葉中央バス、箱根登山バスなどから来た車両もいて、全ての車が元・国際興業車というわけではないようだ。
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