いすゞ初の燃料電池(FC)大型路線バスが「エルガFCV」だ。10月5日デビューなので、すでにそのリリースはニュースとして流れているが、バスマガジンではメーカー・いすゞさまに「実車をいじり倒させてください」というお願いを無理くりネジ込んで(!?)レポートするに至ったものだ。
取材・執筆/バスマガジン編集部
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■まずはプロファイルから!!
パッと見、エルガEVじゃん!! という印象を否めないが、そこは同じ電気バス括りということで、共通のアイデンティティになりました、ということでご納得のこと。そもそも燃料電池バスといえば、トヨタのSORAがだいぶ先行して活躍しているという実績があり、このエルガFCVはそのトヨタとの共同開発、という形での誕生となった。
いすゞが車体を、トヨタがFCシステムを担当という構図で、パワートレーンは屋根上に最高出力113kWのFCスタックと水素タンクを搭載し、モーター出力は220kW、最大トルク970Nmを発生するという、大型バスの性能としてもオツリが来るほどのスペックだ。エルガFCVの水素充填は約10分で完了するという。
という性能・特徴、キャラクターの違いがエルガEVとは異なるものとしたエルガFCVだが、これはバスの世界では「優劣」ではなく、「運用の違いと使い分けにおける対応」と考えられるものだ。エルガEVは営業所に急速充電器を設置、定期便の中・短距離ルートを巡回する運行に適し、エルガFCVは、短時間でエネルギーを補給できるため、「充電待ちによるロスタイム」がなく、走行距離が長く高稼働が求められる路線に適しているということだ。そこにはもちろん、運行コストも関わっている。
とはいえ同じいすゞの電気動バス、静粛性能の高い走行中や、パワフルなモーターによるスムーズな加速感と安定感、災害時に役立つ外部給電機能などはいずれの車両も備えていることはいうまでもない。これらはバスに限らず、電気自動車全体の性能として求められ、完成しつつある能力といえる。
■エルガEVにそっくりイメージだが実は見た目はけっこう違う
さて、バスファンとして気になる大きな項目のひとつは、やっぱり外観の違いだろう。前述のようにそっくり!! それはそうとして、違いだってもちろんある。車体そのものの骨格や近未来的なフロントフェイスは実は共通。大きな違いは主に屋根の上と全高だ。
ちょっと車両のルーフに目を向けるとすぐにわかるのが、屋根上カバーの形状と全高の違いだ。エルガEVではルーフの前方とリヤに「高電圧バッテリーパック」を分散して配置しているのに対し、エルガFCVではトヨタ製の「FCスタック」と大容量の「高圧水素タンク(157L×3本)」を一体化してルーフに搭載している。これらを保護するためのボリューム感のあるルーフカバーが載っているため、デザインによるイメージも大きく異なり、エルガFCVはエルガEVよりもさらに車高が高くなっている。
そしてフロントグリルの有無も外観上の違いだ。エルガFCVには、燃料電池の発電にによる発熱を冷却するため、グリル内にラジエターを搭載している。ラジエターに走行風を取り入れる役割と車両後方に温かい空気を逃がす空気循環のため、前面に空気吸入用のグリルが設けられている。
展示の車両は行先表示器(LED式)のデモ表示やフロントウィンドー下方右側、ナンバープレート上部などといった車体各所に「ERGA FCV」の専用ロゴ・エンブレムが配されていた(量産車はフロントウィンドウ下方左側とリアバンパー情報左側の2か所にロゴとエンブレムを配置)。
内装デザインはいずれも青系のモケットシートに、オレンジ色のクッションが配された手すりとのコンビネーションによる、明るく清潔感のあるいすゞエルガの“お馴染みの内装”だ。
そしていすゞの電気動バスにおいての最大の特徴である、「前扉から最後部まで一切段差がない構造」も、タイヤハウス上の座席を廃止するなど、使い勝手にワンアクション必要な装備を廃止。車内事故のリスクを排除している点もエルガEVを踏襲している。







