■ワンマン化は大都市周辺の事業者から全国へ
最もポピュラーだったのは観光タイプのボディのフロント社名表示の部分に方向幕を取り付け、中扉折戸と側方向幕を設置したタイプだったが、もともと観光専用モデルの川崎丸型車体(いわゆる“オバQ”)を改造したものもあった。
傾斜窓の間へのドア増設といい、フロント上部の大型方向幕といい、“よくぞここまで”と感心したものだった。
増設中扉は折戸がほとんどだったが、宮城交通では新車で用意したワンマン車に合わせて引戸を増設したため、特異な外観となった。また、一般車が前後扉だった事業者ではリヤオーバーハングに増設扉を持って行ったケースもあった。
1980年代以降は、乗合バスは床を低く、貸切バスは床を高くとコンセプトが二分化するので、転用は難しくなるが、しばらくは一部の事業者で、セミデッカーやパノラマデッカー、フルデッカーなどを2扉改造する事例も見られた。
さすがにスケルトンタイプの時代になると、車体のつくりもコンセプトも乗合と貸切では異なってくるので、扉増設改造はほとんど見られなくなるが、九州産交には初期の長距離用前扉平ボディのスケルトン観光車に中扉を増設した車両が存在していた。
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