■2台目のキュービック現る
1994年式キュービックを見送り、20分ほど西口バスターミナル周辺でバスウォッチを続けていると、東武宇都宮方面から別のキュービックが向かってくるのが見えた。
こちらも関東自動車の車両であるが、車体は白を基調としたカラーリング。赤3本ストライプが際立つ1台目とはまた雰囲気が違う。
1台目に続き2台目のキュービックも、ナンバープレート上段の数字が2桁(22ナンバー)になっていて、地元生え抜きの車両であるのが伺える。
前輪と後輪の間に4枚折戸を備えたワンステップ仕様。2台目は1998年式で、1984〜2000年まで作られたキュービックの中で比較的後期のタイプにあたる。
ホイールベース5.3m。独特の重厚なサウンドを奏でる、15,000ccクラスのV8エンジンを搭載しているのが大きな魅力だ。
■飛び乗っても大丈夫?
全国的に見てもすっかり珍しくなったキュービックということで、ちょっと乗りバスしてみたい気に駆られる。
しかし飛び乗ったは良いが、そのバスが走る路線の本数が極端に少なかったため、元の場所まで戻ってこられない罠にハマると後で厄介だ。
当日に見たキュービックは、どこへ向かう路線だったのか。出発する様子を見送った1台目の行先表示には「立岩」と表示されていた。
立岩は宇都宮駅から北西に10kmくらい進んだ郊外にある。バス路線としては「45」系統が運行しており、終点までの所要時間が約35分、運賃は600円だ。
時刻表を確認したところ、立岩は宇都宮駅西口行きのみが発着する停留所で、平日と土曜・日祝でダイヤがそれぞれ異なるが、6時台〜21時台まで、大体1時間に1〜2本のペースで出ている。
本数的に少なめではあるものの、行ったら最後帰って来られない事態までには至らないようで、飛び乗るのもアリと言える。
2台目のキュービックが向かう先は「細谷車庫」だった。こちらは駅から約7km離れた、その名の通り関東自動車のバス車庫が終点になっている。
車庫なら駅へ向かうバスもそれなりに出ているだろうと、2台目のキュービックの「50」系統に乗りバスしてみることにした。およそ24分で駅と車庫を結び、通しで利用した際の運賃は400円だった。
車庫で時刻表を見たところ、5時台〜21時台まで、平日の日中が1時間5本くらい、土曜4本、日祝3本のペースで宇都宮駅行きのバスがあった。
50系統の車両がキュービックだった場合、郷愁を誘う大型路線車が目の前に現れた衝撃から、フラフラとバスの車内に吸い寄せられてしまっても多分大丈夫だ。
■キュービックづくしな1日
50系統で細谷車庫に着いた直後、回送のバスが車庫を出ていった。こちらも何とキュービック。前後輪の中間に引き戸の付いたタイプで、先の2台とはまた細部が違う。
3台目のキュービックはツーステップ仕様でホイールベース4.8m。V8エンジンを搭載した1997年式のモデルだ。
2023年8月現在、1日軽く観察しただけで何と3台もの現役いすゞキュービックに出逢えた。製造から四半世紀以上経った車両が、今もごく普通の路線バスとして見て・乗れるのは驚異だ!!
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