■待遇改善できる事業者だけが生き残る?
ここからは記者のアイデアの一つなので、実現の可能性や制度的な問題は考慮していない。現在の運転士の待遇ではすべての事業者がそうだとは言わないが、全体として新しい運転士が入社しない状況だ。よってパイの奪い合いになる。
もっとも貨物ドライバーとバス運転士間のスイッチは双方向である。しかしバス運転士は取り合いなので、昔のような帰属意識や愛社精神などとは言ってはおれない。
労働者を守るはずの労働組合も組合費を払っているにもかかわらず何もしないので一向に運転士の待遇が改善しない。そうなれば市場原理で1円でも多く出す事業者に移籍するのは当然だ。
事業者にとっては酷な話だが、このまま手を打たずに推移すると待遇を改善できる会社だけが残ることになる。例えばドラフト制度よろしく運転士が自らをオークションにかけて条件の良い会社を選択できる仕組みはどうだろうか。要は入札ということになるだろうが、体力のある事業者はとりあえずの運転士不足は免れる。
ここでの基準はズバリ「年棒いくら出す?」だ。体力のない会社はそもそも運転士を確保できないので路線を維持できない厳しい現実を考慮すると、短期的には運転士を待遇の良い事業者に集める仕組みを「あからさまに」作ってしまうのがどうだろうか。これは免許を持つ現役組の話で、新しく運転士になる人材の確保はまた別途の議論が必要だ。
以上はあくまでも記者の個人的な意見なので、賛否あってよいし、代案があればどんどん発表して国民的な議論を深めるためのたたき台のひとつとして判断していただければ幸いである。今後も思いつく限り、ニュースを交えて意見やアイデアは出していきたい。
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