沼津市のバスの話題だ。沼津市は静岡県東部に位置し、駿河湾に面し海の幸が豊富で、お茶やみかんの栽培も盛んな立地である。東に伊豆・箱根があり東西を結ぶ交通の要衝として発展を続けた。7月には市制100周年を迎えさらに未来へ向かい魅力あるまちづくりを目指している。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
■3社が同じアニメのラッピングバスを所有のおどろき!
近年ではアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」という作品の舞台に沼津市が登場することから聖地巡礼として多くのアニメファンが来訪する有名な街となっている。
この機を掴むべく行政や地元企業、市民を巻き込んだ取り組みが行われており、アニメによる聖地巡礼で来訪者を増やしたい他都市からも注目されている。
アニメファンはもとより撮りバスファンもうなるなかなかハードルの高いラッピングバスの台数なのだ。
まずは市内を走行する路線バスについて見ていこう。沼津駅南口に降り立つと前方には大きなロータリーが、そして左側にはタクシー乗り場とバスターミナルが広がっている。
ここには東海バス、伊豆箱根バス、富士急シティバスの3社が乗り入れる。
2年前にはバス乗り場をリニューアルし案内表示を統一したものとなり、行き先方面別で分かりやすいものになった。
そして停車しているバスを眺めていると、様々な広告が掲載されたラッピングバスが見受けられるが同じようなキャラクターばかりがラッピングされたバスに気がつく。
これは「ラブライブ!サンシャイン!!」のラッピングバスであり、なんと3社ともラッピングバスを所有している。この路線バスタイプのものでも11台もフルラッピングされたバスが毎日運行している。
これほどにも多い台数なので、しばらく駅前にいると何かのラッピングバスに出会うことができる。
筆者も他都市でラッピングバスの撮影を行う。通常は事前に調べたりしないとなかなか出会えないのが、それと比べるとここは驚きの台数である。
■あちこちがコラボだらけの沼津市
そんなラッピングバスの中から1台を紹介したい。2023年3月25日から8月31日までJR東海と「ラブライブ!サンシャイン!!」の大型コラボレーション「ラブライブ!サンシャイン!!沼津ゲキ推しキャンペーン」が開催された。
期間中にはノベルティの配布やグッズの付いた新幹線と宿泊プランの提供、また周辺施設とのコラボレーションでプレゼントがあったり、6月18日には室内をラッピングしたさわやかウォーキング臨時急行列車「ラブライブ!サンシャイン!!」号が運転されたりと、ファンには嬉しい取り組みが行われた。
さらにJR東海のサービス「エクスプレス予約」に発券される「EXご利用票」等を提示した方の「新幹線移動距離」の合計による新たなコラボが発表され、JR沼津駅の南口駅舎に8月18日には新たな装飾が登場するなど、あちこちにキャラクターの姿があふれた。
ラッピングバスはその中の一つであり、7月1日より東海バスのラッピング6号車として運行がスタートした。
東海バスといえばオレンジシャトルという名称にもあるように車体はオレンジ系統でまとめられているが、このラッピングバスは全体が白に青いラインというJRバスのようなイメージで違った印象を受ける。
前面に書かれたJR東海(JR東海バスではなく東海旅客鉄道とのコラボ)の文字もこの地区にはJRバスはないものの、交通系企業として別の企業名が書かれているのは斬新だ。