全国各地に点在する「お城」は今もその街のランドマークになり得る場所だ。存在感の大きさから、お城に最も近いバス停の名前は自動的に「○○城前」になるのかと思いきや、実際はそうでもないようだ。では、日本を代表する“現役のお城”・皇居の最寄りバス停名はどうなっているだろう。
文・写真:中山修一
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■560年以上の歴史を刻む名城をとりまくバス事情
東京駅から歩くこと10分。高層ビルが立ち並び、心なしか低く感じていた空が急に開け、広大な敷地を擁する皇居が見えてくる。
皇居のある場所が、1457年に築城した元・江戸城だったのは周知の通りだ。皇居であると共に、江戸城の跡を示すモニュメントや案内板が現地の何箇所かに置かれている。
多くの自然が残され、手厚く管理されているのも魅力の一つ。大都会にいるのを忘れてしまうほどの緑に囲まれた場所まである。
東京屈指の観光スポットとして、国内外から人気を集める皇居であるが、周辺をとりまくバス事情はどうなっているだろう。
東京駅を発着する都市間高速バスの一部が皇居の近くを通るほか、やはり観光地の一面を持つということで、数多くの観光バスのルートに皇居が組み込まれている。
■お濠の周りを歩いてバス停ハント
皇居の前にいると、バス車両そのものは頻繁に見かける。では次に、高速バスと観光バスを除いた、普段使いの足に利用する一般路線バスの停留所に注目してみよう。
まず皇居の手前、東京駅寄りの「外苑」と呼ばれるエリアのお濠(日比谷濠、馬場先濠、和田倉濠)の外側を通る国道20号線沿いに、東急バスのバス停が置かれている。こちらのバス停名は「日比谷」だ。
より皇居/江戸城跡に密接したバス停に的を絞った場合、ランニングコースで知られる一周5kmのお濠(蛤濠、桔梗濠、大手濠、平川濠、半蔵堀、桜田濠、二重橋濠)の外周の道を調べてみるのが良さそうだ。
そそくさと現地へ赴いて、お濠を歩いて一周してみると、東京駅を真下に置いて地図を見た時、皇居敷地の右半分の外周には、バス停がまったく置かれていないのに気付いた。
右半分のエリアにある公共交通機関の乗り場は、東京メトロ東西線の竹橋駅が唯一で、言い換えれば皇居/江戸城跡に最も隣接した鉄道の駅に相当する。