■実銃をどうやって運ぶのか
銃砲店で購入するときもそうだが、定期的に使用していないと許可が取り消されてしまうため、何かしらの形で銃を自宅から持ち出したり、射場や自宅まで運んだりする機会が生まれる。
日本で銃の所持許可を持っている関係各位に話を聞く限り、大抵の場合はマイカーに積んで運搬するとのこと。しかし、事情で公共交通機関を使う場合も珍しくはない。問題は、当の各種公共交通機関が銃の運搬に対応しているか、だ。
■陸海空ごとに条件を見てみると
ここでは航空機、船、鉄道、バスとタクシーでの、銃の運搬にまつわる条件等を軽くチェックしてみた。どの交通手段も持ち込み制限品は国が定めたルールに則っているが、まずは同公共交通機関の中で唯一、手荷物検査がある航空機から。
当然ながら、実銃以前にトイガンを含め鉄砲の形をしている物体は、どんなものでも機内持ち込みは絶対不可だ。では手荷物として搭乗前にカウンターに預ける場合はどうかと言えば、こちらは対応している。
一度に運べる弾に重さ制限があり、包装込みで5kgまで。銃本体も預かってもらえる。ただし、銃と弾を別々の荷物に分けて収納しておかないと違法の場合がある。
■会社ごとに違うフェリー
続いてカーフェリーなどの旅客用船舶を見てみよう。こちらは船会社によって異なり、持ち込み自体を禁止しているところもあれば、船長に銃を預ける形で運搬対応してくれる航路もある。
船長預かりの場合、予約の際に銃を運びたい旨を連絡しておくのが一般的。ケースなどに入れ剥き出しの状態になっていない荷姿で乗船の際に預ける。弾数制限もあり、こちらは狩猟目的の弾であれば400発までとなっている。
マイカーごと乗り込んで、クルマのトランクに銃を入れておけば良さそうな感じもするが、自動車は銃の保管場所として法律上認められていないためNGになる。
■弾数に大きな差がある電車・バス・タクシー
続いては鉄道。JRの条項を例にすると、銃本体にまつわる規定は特にないようだ。むしろ、爆発物の一種でもある弾のほうが危険品として重要視されている。
鉄道にも一度に運べる弾数に限りがある。専用のケースなどに発火しない状態で納めた上、猟銃の弾なら200発まで、22LRなど競技用の22口径弾は800発まで車内持ち込みが認められている。実包だけでなく空包も同じ条件だ。
バスとタクシーは条件がほぼ同じ。やはりこちらも銃本体を運ぶ際の制限事項は特に書かれておらず、対象になっているのは弾薬である。鉄道に比べると弾数の上限が少なく、バス/タクシーともに50発までとなっている。
電車・バス・タクシーで銃を運ぶ際は、やはり銃本体と弾を別々に収納して、該当の荷物を「肌身離さず」持って歩くのが前提だ。
いずれにせよ公共交通機関での銃の運搬は、普段より気を遣うこと請け合い。しかも銃は結構重いので、ちょっとした筋トレまで兼ねてしまうかも。
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