■特別仕様車=人気のバロメーター
タントは2019年7月に現行型へフルモデルチェンジされたが、発売直後から売れ行きが伸び悩んだ。2013年に発売された先代タントは、好調に売れてN-BOXの届け出台数を上まわったが、現行型は追い抜けず販売順位もN-BOXより下がる。
そこで発売から5か月を経過した2019年12月には、早々に特別仕様車のセレクションシリーズを設定した。4万円相当のセットオプションを加えて価格を同額に据え置くなど、モデル末期に設定するような格安な特別仕様車だ。2020年6月には、Xから装備を取り去って値下げを行ったXスペシャルまで投入している。
タントの特別仕様車は極端なケースだが、それでも順調に売られる車種に特別仕様車は設定されない。ジムニーは発売から2年間を経過しながら、今でも納期が約1年とされる人気車だから、販売しているのも既存のグレードのみだ。
つまり特別仕様車は、人気のバロメーターといえるだろう。設定された時には、売れ行きが下がったとか、近々強力なライバル車が登場するなど、販売面で何らかの不安を抱えている。そこを認識された上で、特別仕様車を選んで頂きたい。
買い得に追加装着された装備を精査することも大切だ。皆さんにとって不要な装備が加わっていたら、いくら価格の上乗せを抑えても意味はない。宣伝に流されず、特別仕様車の価値を冷静に見極めることも大切だ。
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