初代オデッセイの衝撃と栄光はどこへ… 迷走続くオデッセイの光と影

■設計コンセプトを見直せばまだ間に合うのではないだろうか..

 今やミニバンが(かつての)セダンの役割を担う時代なのだ。

 Lクラスに目を向ける人は顕示欲の強い人が多いから、現行型の、LクラスかMクラスかわからない中途半端な立ち位置のオデッセイは選ばない。

 近頃の毎月の販売台数を見てみると、現行型オデッセイより5年も前に登場した三菱デリカD:5のほうが月平均の販売台数は多い。その理由は三菱らしい個性派のミニバンだからだ。直球勝負の潔さを持っている。ホンダだって「ホンダらしさ」を持つ尖ったミニバンでないと、うるさいミニバン派は見向きもしないだろう。

かつての衝撃と栄光はどこへ…迷走続くオデッセイの光と影
5代目(現行型)オデッセイ2013年10月登場時
かつての衝撃と栄光はどこへ…迷走続くオデッセイの光と影
5代目(現行型)オデッセイ 2020年11月発売

 意識して車高を下げたエリシオンと同じ失敗を、今のオデッセイも演じてしまっている。今やオデッセイはホンダのフラッグシップミニバンだ。だが、車格はMクラス寄りだし、メカニズムも取り立てて素晴らしいといえるものでもない。だから割高感を強く感じてしまうのである。

 フラッグシップで押すなら風格や押しの強さが必要だったのに、スポーティ方向にこだわり、ファミリー層を逃してしまった。

 デザインもホンダが好きなファミリーが好むものとはほど遠い。時代は速い流れになっているのに、気がつかなかったホンダとオデッセイ。ユーザー不在の設計コンセプトを見直そう。まだ間に合う、がんばれと、初代オデッセイファンのわたしは願っている。

【画像ギャラリー】かつての王者クラウンを追い抜いてトップに立ったオデッセイの歴代写真はこちら

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