3リッター+DOHC24バルブ+ターボに進化した7M-GTEU型はトヨタM型の集大成!
数々の名機が登場したM型の集大成となった7M-GTEU型は、1986年1月に発売された2代目ソアラ(Z20系)に初搭載。
1気筒あたり2バルブだった前述の5M-GEUはその後、2954ccに排気量をアップした6M-GEU型へと進化を果たしたが、7M-GTEU型では2954ccの排気量はそのままに1気筒あたり4バルブのDOHCシリンダーヘッドと空冷インタークーラー付ターボの採用で230psの最高出力を33.0kgmの最大トルクを達成。
人間の感性に応えるスーパーポテンシャルとも言うべき全域に渡るトルクフルな特性、滑らかな吹け上がり、鋭いレスポンスも同時に獲得した。
また、マイコン制御のディストリビュータレスイグニッションシステム(D.L.I)をはじめ、燃費を犠牲にすることなくパワーとトルクを高める2ホールタイプインジェクターや光学式カルマン渦エアフローメーターといった数々の先進ハイメカニズムも導入。
他にも、燃料消費量が異なる高回転時と低回転時の燃料供給量を切り換えるフューエルポンプ2段切換制御システムや、燃料を2気筒ずつに分けて噴射する3グループ噴射方式といった本当に必要とされる質実剛健なメカニズムも採用されていた。
1G-GTE型の搭載で羊の皮を被った狼と化したマークII 3兄弟
1985年10月に発売されたGX71系マークII 3兄弟(マークII、チェイサー、クレスタ)に搭載された1G-GTE型は、1G型エンジンをベースに開発された1988cc直列6気筒DOHC24バルブエンジンの1G-GEUにふたつのターボチャージャーを装着した日本初のDOHC+ツインターボエンジン。
2分割された排気通路のそれぞれに小型のターボチャージャーを設けたツインターボは気筒間の排気干渉も少なく、排気エネルギーを有効に利用することによって185psの圧倒的なハイパワーと鋭いレスポンスを発揮しながら、10モード10.2km/Lという低燃費を実現。
また、インタークーラーやノックコントロールの採用で2200~6500rpmの実用域において20.0kgm以上のトルクも獲得、これが市街地での扱いやすさにもつながっていた。
加えて、2ホールタイプインジェクターやヒーター付きO2センサーが空燃比の最適制御を行うとともに、水冷式オイルクーラーの採用やクランクシャフトの剛性向上などによって高い信頼性もしっかりと確保。
そんな1G-GTE型はマークII 3兄弟(GX71系)の他、2代目ソアラの2リッターバージョン、3代目スープラ(A70系)、マークII 3兄弟(GX81系)にも採用された。
数々の新機軸を投入してトヨタ初の280psを達成した1JZ-GTE型
トヨタで初めて当時の出力自主規制上限値である280psを達成した2491cc直列6気筒DOHC24バルブのツインターボエンジンが1JZ-GTE型だ。
1990年8月登場のスープラ(A70系)とマークII 3兄弟(JZX81系)に搭載された1JZ-GTE型は“高性能”、“軽量”、“コンパクト”、“低メカニカルロス”の徹底追求によって280psの最高出力と37.0kgmの最大トルクを実現。
また、軽量のセラミックタービンとコンパクトエキゾーストマニホールドの組み合わせによって、思うがままにパワーが引き出せる鋭いアクセルレスポンスも大きな魅力となった。
他にも、点火時期を正確にコントロールするための各気筒に点火コイルを配したトヨタ初のT.D.I(トヨタ・ダイレクト・イグニッションシステム)や、常に最適な風量が得られる電子制御油圧駆動クーリングファンといった信頼性をいっそう高める新機軸も採用された。
その後の1991年10月に登場した初代アリストや1993年5月に登場したA80系スープラに搭載された2JZ-GTE型(排気量2997cc、最高出力280ps、最大トルク44.0kgm)もまた、トヨタ史上最強のエンジンとしてチューニングシーンでも絶大な人気を獲得した。
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