なんちゃってガルウィング「トヨタ・セラ」
ガルウィングドアを持つクルマと表記されることが多いが、前述のとおり正確にはセラの場合はバタフライドアなので、これは番外編。モーターショーに出展されたコンセプトカー「AXV-II」をそのまま市販化、それも当時は保守的というイメージがあったトヨタが世に送り出したことは衝撃的だった。
ベース車両がスターレットとはいえ、コストのかかるガルウィングや巨大なガラス製キャノピーを採用して価格は160~196万円! 出血大サービス、トヨタにとっては薄利多売のクルマであったことは間違いない。
ガルウィングの欠点のひとつである、ドアの開閉時に必要なスペースの大きさもバタフライドアとすることでクリア。逆に、通常のドアよりもスペースを必要としないほどだった。
ただし、ドアの開閉はダンパーによりサポートされていたものの、重さの問題を完全にはクリアできず。さらに、ダンパーが少しヘタると重さは増大するだけではなく、跳ね上がったドアが落ちてくるといったことも……。
結局、フルモデルチェンジは実施されることはなく、一代限りのモデルで終わった。
とにかく、ガルウィングドアは見た目は奇抜でかっこいいものの、メーカーにとっても、ユーザーにとってもデメリットのほうが多い。それ故、今後ガルウィングドアを積極的に採用していくメーカーは少ないだろう……。とはいえ、クルマの没個性化が叫ばれるなか、AZ-1のような遊び心のあるモデルの登場を期待する人は少なくないはずだ。
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