かつてはそれぞれが独立した存在だった自動車メーカー。現在では多くのメーカーが提携を行い、場合によっては買収されて別のメーカー傘下となったというケースもある。エンジンやプラットフォームの共通化によるコストダウン、流通の効率化など、メリットの多いグループ化だが、あるメーカーがどのグループに属しているのがわからないこともあり、さらに意外なグループの傘下となっていて驚かされるブランドもある。
このシリーズではそうした「自動車メーカーグループ」に注目し、紹介していくことにしたい。そんな連載第4弾は、“世界のトヨタ”を中心に、傘下にあるダイハツ&日野、そしてスバルを筆頭にした提携メーカーによる一大連合に注目!
文/長谷川 敦 写真/トヨタ、ダイハツ、スバル、Favcars.com
【画像ギャラリー】世界の自動車業界を牽引する巨人トヨタの足跡をたどる(16枚)画像ギャラリー世界一に躍り出たトヨタグループの生産台数
このシリーズで紹介してきたステランティスグループやフォルクスワーゲン(VW)グループ、そしてルノー・日産・三菱アライアンスは、いずれも複数の国にまたがる国際的なメーカー連合だ。
各グループを構成するメーカーの数もステランティス14社、VWグループは9社、ルノー・日産・三菱アライアンスも6社と多い。しかし、トヨタは自社のほかにダイハツと日野を含むのみで、結びつきの深いスバルを加えても4社と少ない。
つまり少数精鋭とも言えそうだが、実際にはトヨタの規模が桁違いに大きく、それがグループ総数で2020年に952万8000台を売り上げ、VWグループを抜いて1位になったことの大きな要因だ。なぜトヨタはそこまで強いのか? そしてトヨタとグループを組むことで得られるメリットとはどこにあるのだろうか?
今回の記事ではこのトヨタを中心にしたメーカーグループを紹介していくが、トヨタ自体も車体の製造会社をはじめ、電装部品を開発するデンソー、トランスミッション類の開発製造を手掛けるアイシンなど、傘下に多数のグループ企業を抱えている。
こちらをトヨタグループと呼ぶ場合もあるが、便宜上、今回は自動車メーカーで構成されるグループをトヨタグループと呼ぶことにしたい。
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