日本だけでも世界トップ!? 巨人トヨタとその仲間たち 「トヨタ・ダイハツ・日野グループ」【自動車メーカーのビッグバンを探る】

単独でもその規模は世界最大級。トヨタの繁栄はどこまで続く?

日本だけでも世界トップ!? 巨人トヨタとその仲間たち 「トヨタ・ダイハツ・日野グループ」
効率が高く品質管理にも優れたトヨタ生産方式は、他の自動車メーカーのみならず他業種でも参考にされる。看板を使用するためカンバン方式と呼ばれることも

 トヨタが日本最大の自動車メーカーであることは、あらためて説明する必要もないだろう。愛知県で豊田佐吉が興した豊田自動織機に設立された自動車部がそのルーツで、時は1933年。当時は創業者名の読みから「トヨダ」と呼ばれていた。だが、1936年には画数やデザイン上の理由から「トヨタ」に変更され、それが現在まで続いている。

 その後の隆盛はご存じのとおり。現在では日本最大の自動車販売数を誇るだけでなく、2021年にはアメリカにおける販売台数でもゼネラルモーターズ(GM)を抜いてついにトップに立った。これには半導体不足によるGMの減産などの理由もあるが、1931年以来首位を維持してきたGMを上回ったのは快挙と言ってよい。

 トヨタの強みは「トヨタ生産方式」に代表される徹底的な合理化によるコストダウン(=車両価格のロープライス化)と、販売車両の圧倒的な信頼性の高さなどにある。故障が少なく、価格に対する品質の高さは随一とも言え、長年難点のひとつと指摘されてきた80点+α主義による個性の薄さも近年は急速に払拭されつつある。

 保守的な印象も持たれがちだが、世界に先駆けて1997年にハイブリッド車のプリウスを発売し、2014年には燃料電池車のミライをリリースするなど、先進技術も積極的にとり入れている。

 そして2021年12月には小型BEV(バッテリー式電気自動車)C+pod(シーポッド)の一般販売をスタートさせた。この後もBEVの新車が次々に登場する予定で、未来に向けた戦略にも抜かりはない。

 続いてそんなトヨタとグループを形成するメーカーを見ていくことにしよう。

ダイハツはトヨタにOEM供給も行う頼れるパートナー

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ハイブリッドのe-SMARTとガソリンエンジン車をラインナップするダイハツ ロッキー。トヨタと共同開発したDNGA-Bプラットフォームが使用されている

 1967年にトヨタと業務提携を締結し、1998年にはトヨタが株式の過半数を取得して連結子会社化。そして2016年1月にトヨタの完全子会社となったのがダイハツだ。

 ダイハツの歴史は古く、1907年に内燃機関の製造販売会社として設立。当初の社名は「発動機製造」だったが、1951年にダイハツへと変更された。社名は「大阪の発動機会社」に由来する。自動車市場への本格的な参入は1930年代のオート3輪からで、1957年に発売されたミゼットは、低価格かつ高い性能と信頼性でベストセラーとなり、ミゼットという名称自体がオート3輪の代名詞にもなった。

 トヨタとの提携後には4輪車の本格的な販売をスタートし、まずはトヨタ車をベースにしたモデルを開発。1977年には独自開発のシャレードをリリースしている。シャレードは普通自動車だったが、その後に登場させた軽自動車のミラが人気車となったことによって、軽自動車分野での地位を確立していった。

 現在のダイハツは軽自動車をメインに多数のモデルを販売しつつ、完全子会社化の影響もあってトヨタの生産工場としても重要な役割を担っている。将来的なトヨタとの結びつきはより強固なものになっていきそうだ。

大型車のトップメーカー・日野もトヨタグループの一員

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日野の中型トラック・レンジャーは写真の5代目モデルでハイブリッドモデルを登場させた。販売開始は2004年で、走行距離の長いトラックで燃費向上を実現した

 日野自動車と言えば大型トラックやバスなどで知られる商用車の国内最大手で、1910年に創業された東京瓦斯(ガス)工業にルーツを持つ。1917年からトラックの開発をスタートさせ、以降は組織変更を行いながら、1942年に現在の日野自動車に直接つながる日野重工業が誕生した。

 元々ディーゼルエンジン車を得意としていた日野だったが、1953年にはフランス・ルノーと提携してルノー 4CVのノックダウン生産を開始。このモデルの製造で得られたノウハウは、後にコンテッサなどの乗用車を自社開発する際にも生かされている。

 トヨタとの提携は1966年にスタートする。両社の関係はそのまま続き、2001年にトヨタが過半数の株式を取得することにより、日野を連結子会社化した。以降は商用大型車両生産を継続するとともに、自社工場でトヨタ ランドクルーザープラドなどの製造を行っている。

次ページは : スバルとの共同開発で誕生したモデルたち

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