日本だけでも世界トップ!? 巨人トヨタとその仲間たち 「トヨタ・ダイハツ・日野グループ」【自動車メーカーのビッグバンを探る】

スバルとの共同開発で誕生したモデルたち

日本だけでも世界トップ!? 巨人トヨタとその仲間たち 「トヨタ・ダイハツ・日野グループ」
トヨタ&スバルが共同開発したモデルの代表がこの86&BRZ。写真は2021年販売開始の2代目で、エンジン排気量の拡大など、初代モデルから変更が施されている

 水平対向エンジンを搭載した個性的なモデルが高い評価を得ているスバルも、近年になってトヨタとの関係を深めている。両社の業務提携に向けた基本合意がスタートしたのが2005年。2007年にはスバルの米国生産拠点でトヨタ車の受託生産が開始されている。

 トヨタとスバルの関係で象徴的な存在となるのがFRスポーツ車の86とBRZだ。2012年に登場したこのモデルは、スバルの水平対向エンジンにトヨタの燃料噴射システムを組み合わせたものが搭載され、車体の開発も共同で行われている。日本国内では久しぶりのFRスポーツ車だった86&BRZは高い人気を集めた。

 2021年には後継モデルが登場したが、こちらもトヨタとスバルで共同開発された兄弟車。ただし、86の車名はGR86に改められている。また、スバル初のプラグインハイブリッド車であるクロストレック・ハイブリッド(2018年)には、トヨタのハイブリッドシステムが搭載された。

 トヨタが満を持して登場させたBEVのbZ4Xもまた、スバルと共同で開発されている。このモデルも86同様にスバルからも兄弟車が発売される予定で、そちらにはソルテラの名称が与えられている。

 現在、スバルの筆頭株主は20%を所有するトヨタだ。ダイハツや日野のように子会社化はされていないものの、スバルに対するトヨタの影響力は無視できない。ただしスバルもトヨタの株0.3%を持つ株主であり、両社の提携は当分の間続いていくことが予想される。

トヨタ中心で誕生した国内メーカーの新連合?

2021年12月、トヨタは2030年までに30車種のBEVを展開することを発表。カーボンニュートラルの実現に向けて他メーカーとの連携も強化されていく
2021年12月、トヨタは2030年までに30車種のBEVを展開することを発表。カーボンニュートラルの実現に向けて他メーカーとの連携も強化されていく

 2021年4月、トヨタは日野といすゞとの共同出資会社「CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)」を設立した。CASE(コネクテッド・オートノマス・シェアード&サービス・エレクトリック)の加速を目的に設立されたこの会社は、やがて来るとも言われるEV時代への対応を共同で行うもの。さらに同年8月にはCJPTにダイハツとスズキが加わることも発表された。

 CASEにかかる費用も分担できるこのCJPTに加わるメリットは大きく、新たな“トヨタ連合”が今後どのように発展していくのか、そして現状はこのグループに参加していない日産&三菱とホンダがどのように動くか注目されている。

 トヨタの強みはその規模と資金力、そして現在では技術力でも世界のトップクラスにある。プラットフォームの共有をはじめ、技術&人的交流など、トヨタグループにいるメリットは大きい。トヨタ側でも軽自動車や大型車などの独自技術を持つメーカーを傘下に抱える利点は多く、当面はこの世界トップの自動車メーカーグループが揺らぐことはなさそうだ。

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