ミニバンらしくないミニバンというオンリーワンの個性を持った「オデッセイ」
初代オデッセイは1994年にワンボックスカーの居住性とセダンの爽快な走りや快適な乗り心地を両立するホンダ初のミニバンとして登場した。
当時、一般的なワンボックスに見られた床下エンジンレイアウトを、乗用車と同じフロントエンジンレイアウトにすることで低床・低重心化に成功。低い車高でありながら広い車内空間と安定性を実現した。これが大当たり! ワンボックスらしくない、セダンのような感覚で乗ることができるミニバンとして、好調なセールスを記録した。
基本のアイデンティティである低床・低重心・低車高は引き継ぎながら世代交代を重ね、2013年、最終モデルとなる5代目オデッセイが発売された。
歴代モデルの中でも初となるリアスライドドアを採用し、車高は従来モデル比プラス150㎜の1695㎜に。上級ミニバンという立ち位置となったことから全体的な質感が高められ、タイプ別設定ではあるものの、2列目にはオットマン付きのプレミアムクレードルシートを設定、2016年にはハイブリッドモデルを導入するなど、5代目はオデッセイの既存のイメージを覆すような変貌を遂げた。
2020年11月にはエクステリアを含めた大規模なマイナーチェンジが行われるなど、安定した人気を維持していたが、2021年末のホンダ狭山工場の閉鎖に伴い生産終了。約27年の歴史に幕を下ろした。
ホンダの誇るフラッグシップモデル「レジェンド」
1985年、ホンダのフラッグシップモデルとしてレジェンドは誕生した。国内では当時高級車を取り扱っていたクリオ店の専売、北米で展開する高級車ブランド「アキュラ」の最高級モデルとして販売された。搭載エンジンは2.5リッター、ならびに2.0リッターの横置き90°V型6気筒SOHCエンジンの2種類が用意された。
1987年には、天然銘木の樟(くすのき)の中でも美しい木目の部分だけを厳選してコンソールに使用するなど、高級感を高めることにも注力された。
代を重ねるごとにエンジンの大排気量化が進み、2015年に登場した最終モデルとなる5代目はハイブリッド仕様のみとなり、3.5リッターV6 直噴i-VTECエンジンを搭載。
高性能モーターを内蔵した7速DCTと、車体後部に左右それぞれの駆動力を管理する2つのモーターを内蔵したTMU(ツインモーターユニット)、計3つのモーターを組み合わせたシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」や、世界初となる歩行者との衝突回避を支援する「歩行者事故低減ステアリング」など、ホンダの誇る最先端技術が惜しむことなく投入された。
こだわりと技術に比例するように車両価格も上昇し、2018年マイナーチェンジ後のモデルでは約710万円にも達した。
セダンというカテゴリー自体の需要が落ち込むなか、高級路線を貫いたフラッグシップモデルの販売台数は振るわず、オデッセイ同様、2021年末のホンダ狭山工場の閉鎖とともに生産終了となった。
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