社名や製品名・商標名などが代名詞化したものは思いつくだけでもけっこうある。
トラック業界で言えば、ヤマト運輸の「宅急便」、花見台自動車の車載車「セフテーローダ」(が転じてセーフティローダーと一般的には呼ばれている)、そして古河ユニックの積載型トラッククレーン「ユニック車」などが代表格だろう。
今回は、そんな「ユニック車」と呼ばれることも多い、積載型トラッククレーンにフォーカスして、お届けしていこう。
文/フルロード編集部 写真/フルロード編集部・古河ユニック・タダノ(写真は取材当時のもの)
※2017年6月発行「フルロード」第25号より
■積載型トラッククレーンの呼び名にまつわるハナシ
クレーン付トラックや積載型トラッククレーンは、一般的にはクレーン車とかユニック車、あるいはキャブバッククレーン、カーゴクレーンなどと呼ばれることも多く、ちょっと煩雑なので整理していこう。
一般の人がよく使うクレーン車という呼び方だが、これは業界的にはトラッククレーンや大型特殊のラフテレーンクレーンなど荷物を積載しない、クレーンのみの機能に特化したクルマを指すことが多い。
またキャブバッククレーンはいかにも通好みの呼称で業界でもよく使われているものの、積載型トラッククレーンは、ごくまれにキャブ後方ではなく荷台後部に架装されることもあるので、通称としてはビミョーなところ。
いっぽうカーゴクレーンという名称は、なかなかすっきりしていて良いと思うのだが、実はタダノの積載型トラッククレーンをカーゴクレーンと呼ぶのである。
反対にユニック車という悩ましい呼び方だが、ご存知のように、これはユニックという製品名が積載型トラッククレーンの代名詞的に使われるようになったものだ。
日本の積載型トラッククレーンは、そのユニックこと古河ユニックとタダノが市場を二分しているので、タダノの製品をユニック車というのはマズいんじゃないかと思うのだが、ディーラーなどではタダノのユニック車が欲しいといった会話がごく普通に交わされているという。
これについて、タダノの人はどう思っているか、勇気を出して聞いてみたことがあるが、
「しょっちゅう言われますので、もう慣れちゃいました。別にカチンと来るわけではないですよ(笑)」とのこと。大人なのである。
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