宮城トヨタグループ(通称MTG)は、2011年からオートサロンへの出展を続ける、数少ないトヨタディーラーだ。今年はランクル70とクラウンスポーツを展示していた。なぜこの2台を選び、カスタムしたのか。ディーラーならではのこだわりに踏み込んでいく。
文・写真:佐々木 亘
■細部へのこだわりがラズモネ? 間違い探し状態のクラウンスポーツがカッコいい
1台目は白のクラウンスポーツ、その名も「クラウンスポーツ ラズモネIII」である。取り付けられたカスタムパーツは、モデリスタのフロントスポイラーのみ。
見た目的にも、ボンネットフードとルーフが黒く塗り分けられているだけで、すごいカスタムがしてあるようには思えない。話を聞くと、このクラウンスポーツは、オリジナルペイントとラッピングだけが施された車両だという。
開発担当者は、クラウンスポーツの白のベース車両を見て、「ココをブラック塗装すればもっとカッコよくなる」と思い、あーでもないこーでもないと幾度も検討会議を重ねて、現在の完成形に至った。
細かい説明を受けると、たしかにフロントグリルやドアガーニッシュがマッドブラックに塗装され、純正アルミも塗り直されていることがわかる。
ドアウィンドウモールもマットブラックのラッピングを行い、標準状態がブラックのドアミラーカバーは、あえてボディ同色のホワイトへ塗り直した。
ものすごく自然でカッコいいのが凄いところ。ぜひとも隣にノーマルのクラウンスポーツを並べて、比較しながら見たいものだ。
ちなみに車両名称の「ラズモネ」は、かっこいいオリジナルパーツメーカーの名称のように見えるが、そういった類のものではない。
実はこれ、宮城の方言なのである。元の言葉は「らずもねぇ」という宮城弁で、意味は「とんでもない・大変な」というもの。
2014年に制作した、ピンクフルラッピング&GTウィング付210系クラウンを、ある社員が社内で「らずもねぇ(とんでもない)」と呼び続けていたことから、この名がついた。
クラウンを長年扱ってきたトヨタ店だからこそ、クラウンへの愛情が強い。だからこそMTGがカスタムするクラウンには、「ラズモネ」というサブネームが良く似合う。
今回のクラウンスポーツは決して派手なカスタムではない。しかし、細部へのこだわりがまさに「らずもねぇ」仕上がりだった。
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