公道を走るクルマは、サイズや仕様などが明確に定められ、違反すると違法改造になるが、カスタマイズなどで違法行為に気づかぬうちに手を染めているケースがある。今回はその中でもオーバーフェンダーの取り扱いについてのルールを再確認し、皆さんの快適な愛車ライフをサポートしよう。
文:佐々木亘/写真:Adobe Stock(トップ画像=xiaosan@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】1㎝ならOK?でも実測で違う場合もあるオーバーフェンダー取り付け時の注意点(4枚)画像ギャラリー■ハミ出していいのは10mm未満!
何もない素地の状態からオーバーフェンダーを真っ先に付けようと思う人は少ないはず。
オーバーフェンダー装着を考えるきっかけは、タイヤのハミ出しが起きた時というのが、主たる流れであろう。そこで、まずは基本となるタイヤの保安基準を確認しておきたい。
乗用車に適用されるルールはこうだ。クルマのタイヤを真横から見たとき、真上から車両前方へ30度、車両後方に50度の範囲のタイヤ・ホイールは、フェンダーからはみ出してはならない。
ただし、タイヤの部分に限っては、前述の範囲で10mm未満の突出を認める。
あくまで、10mm未満のフェンダーからのはみ出しが認められているのは、タイヤのゴム部分に限るのだ。
インチアップなどのカスタマイズでは、タイヤよりもホイールリムの方が外側に出ることが多いため、基本的にはタイヤもホイールもフェンダーからハミ出してはならないと覚えておきたい。
こうしたハミ出しを抑えるために、オーバーフェンダーの取付を検討する人が多いのだ。しかし、オーバーフェンダーにも、装着に際して細かなルールが設けられている。
■軽や5ナンバーは基準内でも構造変更しなければならない可能性がある
オーバーフェンダーを装着すると、必ず車両の全幅が広がる。車検証に登録してあるクルマのサイズと実際のクルマのサイズが変わるのだ。
自動車のサイズが変わった時には「構造変更」という手続きが必要となる。ただし、タイヤのハミ出しと同様に、両側で20mm、片側10mm未満の突出であれば申請は不要だ。
ただし、突出したことにより車両規格の上限を超える場合は、10mm未満でも構造変更が必要となる。日本で全幅の値に上限を定める規格は2つ。黄色ナンバーの軽自動車と白5ナンバーの小型自動車だ。
軽自動車は全幅1,480mm、小型自動車は全幅1,700mmをそれぞれ下回る必要がある。10mm未満のオーバーフェンダー装着でも、これを越えていて申請しないのはアウトだ。
特に、規格ギリギリに作ってある軽自動車では、オーバーフェンダーの装着自体がそもそもNGというケースも多くある。
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