軽自動車からミニバン・SUVまで、様々な車種で標準化が進むディスプレイオーディオ。スマートフォンとの親和性が高く、機能を拡張しながら使えるのはありがたいのだが、機能不足や使いにくさを感じるところも。しかし、ディスプレイオーディオ搭載の流れが止まらない。ならば、彼らと仲良くする方法を、この機会に考えていきたい。
文:佐々木亘╱写真:adobe stock╱アイキャッチ:adobe stock_show999
■ディスプレイオーディオだから誤解が生まれる
20年ほど時間を巻き戻せば、インパネの中央部分には音楽を再生するための機材が取り付けられていた。
次第にカセットプレーヤーやCD・MDプレーヤーが鎮座していた場所へ、ナビゲーションシステムが同居を申し込む。AV一体型ナビオーディオの完成だ。
アラフォー・アラフィフの感覚では、クルマの中に画面がついていれば、それはすなわちナビがあり、CDやDVDを再生する機能があるということなのだが、ディスプレイオーディオは、こうしたステレオタイプを大きく覆す。
ディスプレイオーディオで、オーディオとして初期装備されているのはAM/FMチューナーだけだ。
TV視聴にはオプション選択が必要で、CDやDVDのスロットもオプションで選べればいい方。選択肢すら存在しないこともある。
久々に新車を買いに行って、カーオーディオの変化についていけなくなった方も多いのではないだろうか。
正直、ディスプレイ「オーディオ」と言われるから期待してしまう面もある。
ここは素直に「ディスプレイラジオ」としてくれれば、誤解も少ないと思うのだが。
自動車メーカー各社の皆さん、ディスプレイオーディオの名称変更だけでも考えてはいただけませんか。
■各所とつながるために必要なものなの? だったら徹底的につながればいい!
ディスプレイオーディオがここまで広がった理由は、車載通信機器の発達にある。様々なつながりを便利に使うために、ディスプレイを必要とするのだ。
繋がることの恩恵は大きい。
万が一の事故の際にはオペレーターサービスへ自動で通報され、クルマの位置はGPSで補足されて、救急車両まで到着する。
スマホがエンジンスターターやキーの代わりになることだって可能だ。
こうしたつながる機能は、一度使うと離れられなくなる。
便利な機能であり、さらなる発展を期待したい。
さらにディスプレイオーディオはスマホをつなぐと、ナビにも高性能HDDオーディオにも早変わりだ。
スマホを音楽サブスクや動画サブスクにつなげば、クルマの中も一瞬で映画館やジュークボックス(古い!)になってしまう。
安全性を高めるバックカメラの映像を映すことにも一役買っている。その可能性は、「つながる」ことで無限に広がるのだ。
ならば、徹底的につなげてしまった方が、カーライフはより豊かなものになるだろう。
つながることは難しいことでも怖いことでもない。まずは私たちがディスプレイオーディオとのつながりを強固にすること。
そうすれば、自ずと扉は開かれる。
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