スマホで知られる中国シャオミ(小米)がついにEVに参入した。第1弾は高性能スポーツセダンだが、その価格を見てぶったまげる。テスラ モデルSやポルシェ タイカン級の性能を持ちながら、たったの630万円なのだ!
文/ベストカーWeb編集部、写真/Xiaomi公式サイト
■クルマでもコスパも性能も最高かも!! ガジェットの大手が作るEVを解説!!
筆者のスマホはシャオミのノート10Proだ。数年前に2万円台で手に入れた。最新のiPhoneとは比べるべくもないが、圧倒的に安い上に大きな欠点もない。
中国製スマホを使う人は、おおむね同じような印象を抱いていると思うが、同種の体験がEVでも実現するかもしれない。シャオミがいよいよEVに参入したからだ。
第1弾としてシャオミが発表したのは、「SU7」という高性能スポーツセダン。そのエクステリアは、どこかポルシェ タイカンに似ていて、ヘッドランプはマクラーレンに似ていなくもない。
冒頭では中国スマホについて「性能はそこそこ」と書いたが、SU7についてはそれは当てはまらない。世界トップクラスのEVと比べても遜色ない成り立ちをもっているからだ。
たとえば基本骨格。テスラが先鞭をつけてトヨタも採用するという「ギガキャスト(数百もの鋼板を組み合わる構造体を1発のアルミプレスで鋳抜く手法)」を採用しており、電池もモジュールを介さずにセルをフレームに直付けする「セル・トゥ・ボディ」という手法でコストを抑えている。
モーターもスゴイ。SU7の搭載するモーターの最高許容回転は2万1000回転。これはテスラのモデルSプラッドが積むモーターに匹敵する数値だ(シャオミはこれをV6クラスと呼んでいる)。
もちろん性能もすさまじい。SU7のトップグレードである「Max」は前後にモーターを積む4WDだが、システムの最大出力は495kW(673ps)/838Nm。0-100km/h加速を2.78秒でこなし、最高速度は265km/h。しかも800kmの最大航続距離を誇るのだ。
このパフォーマンスは、もはやテスラ モデルSやポルシェタイカンのベースモデルをはるかに上回る。それだけじゃない。シャオミが恐ろしいのは、来年、この性能をはるかに凌ぐ2万7200回転を許容するモーター(通称V8クラス)を投入するとアナウンスまでしているのだ。
■価格もスペックも妥協ナシ!! ポルシェの半額以下ってマジ!?
そして衝撃的な事実がある。価格だ。SU7はベーシックな後輪駆動モデルで21万5900元(約453万円/中国現地価格)。前述したバカッ速のMaxでもたったの29万9900元(約630万円)なのだ。これはモデルS(1296万9000円/日本価格)やポルシェ タイカン4S(1650万円)の半値以下という爆安価格である。
しかもシャオミにはテスラやポルシェにない強みがある。スマホや家電を通じてすでに世界に莫大なユーザーを抱えており、ここにクルマを加えることで強力な「シャオミ経済圏」が作れるということだ。
自動運転やエンターテインメント、電力、金融なども巻き込むことで、シャオミは今後、アップルがなしえなかった壮大なエコシステムを形成することを目指していると思われる。
SU7は中国で発売後、わずか27分で5万台の予約を集めたという。最近EVの不振が叫ばれているが、長期的に乗用車のEVへの移行は不可避。「ちょっと目をそらしていた隙に大きな差がついていた」なんてことにならぬよう、日本メーカーも気を付けねば!
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