「オレの彼女は超アムロ」えええ……マジで………? クルマCMの迷コピー謎コピー傑作選│1990年代〜2000年代編【10年前の再録記事プレイバック】

■「世界のわがままGRANDIS」三菱・グランディス(2003年)

販売期間は2003~2009年。CM楽曲はおフランスの歌手、クレモンティーヌが担当
販売期間は2003~2009年。CM楽曲はおフランスの歌手、クレモンティーヌが担当

 三菱が満を持して発売したシャリオグランディスの後継車、3ナンバー3列シートの次世代型ミニバン。エクステリアやインテリアには曲線を多用して日本的な美を表現していた。

 テレビCMでは、「ミニバンにわがままを言いましょう。そのわがままが、ミニバンを変えるのだから」と物わかりのよさそうなことを謳い、コピーも「世界のわがままGRANDIS」とやたらと立派でスケール感があった。

 が、でっかいコピーはいいっぱなしに終わり、国内での販売成績はイマイチ。「世界のわがまま」を消化不良にしたまま、2009年にひっそりと販売が終了した。

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■コピーがよくて売れたクルマはあったか!?

 まあ、いろんなコピーがあったもんです。ここで紹介したのは、国産車のCMに使われたコピーのほんの一部。ほかにも、秀作、傑作、ダジャレ風コピーとさまざまあり、どれもが製作スタッフの大変な努力のたまもの。本当に頭が下がります。

 さて、CMのコピーとクルマの販売に関係があるのか。前出の広告マン氏によると、

「CM製作に参加したクルマが売れれば嬉しいですが、結局、クルマがいいから売れるンです。逆に、担当したクルマが売れないと責任を感じることはありますよ。正直な話、CM製作段階で、売れそうなクルマ、売れそうもないクルマってなんとなくわかる。売れそうなクルマの時は、こちらも力が入ります」

 名車に名コピーが生まれるのはある意味必然的なのかもしれない。逆に売れそうもないクルマの時はどうしてるんだ。

「手は抜きません。というより思いっきり遊んだりします。意表を突くコピーで消費者に訴えかけたりね」

 迷車に迷コピーは、こんなところに原因があるのかもしれない。

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■クルマCMはコピー命! コピーライター艱難物語

「クルマのCMはコピーが命です」。大手広告代理店で、長年クルマのCM製作に携わってきた広告マン氏の弁である。

「ケースバイケースですが、ニューカーのCM製作では、だいたい3チームを編成し競い合わせていました。各チームが、最終的なコピーを決めるまでに、だいたい30から40本のコピーを考え、絞り込んでいます」

 3チーム合わせると、1台のCMを作るのにおよそ100本のコピーが考えられるわけだ。そして世に出るのが、おおむね100分の1の確率で選ばれたコピーということになる。

 もちろん、「そのクルマを一発で表現できるコピー」が理想なのだが、なかなか思うように出てくるものではないらしい。コピーライターは、生みの苦しみで絞りだしている。

 そうして決まったコピーだが、本当にいいと制作側が納得できるのが10本に1本くらい。そして、いいのができたと思っても、スポンサーである自動車メーカーの担当者が気に入らなければお蔵入り。コピーライターってつくづく大変な職業なんですね。

(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)

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