自動車業界に置いてトヨタの存在感は高い。しかし何も無敵という訳ではなく「穴カテゴリー」が存在する。勿論多くはないがその分他の自動車メーカーが輝くものだ。今回は、「トヨタにないけれどライバルにはある!」と題して、トヨタの穴カテゴリーを探っていこう。
※本稿は2024年9月のものです
文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:トヨタ、ホンダ、スバル、三菱、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2024年10月10日号
■トヨタが消極的なジャンルで奮闘するクルマたち
磐石なフルラインナップ構成を敷いているトヨタではあるけれど、ライバルメーカーにはあって、トヨタにはないカテゴリー、言わば『穴』が案外あったりする。
まあ、逆に言えばトヨタがあえて手を出さないカテゴリーともいえるので、必ずしも大きな販売台数には繋がってはいないけれど、個性を発揮して「これじゃなきゃ!」という存在感を放つクルマにも注目したい。
その筆頭ともいえるのがマツダ ロードスター。トヨタの『穴』というより、ロードスターがあまりに強い存在感のため、日産にもホンダにもロードスターのようなクルマはない。平均すると毎月1000台前後をコンスタントに販売しているのだから、ロードスターの領域に食い込むのは難しい。
シビックもトヨタにはない存在だ。カテゴリー的にはプリウスが近いのだが、シビックには1.5Lガソリンターボ仕様が設定され、3ペダルの6MTがある。プリウスがいくら燃費がよくても、いくら操縦性に磨きをかけても、3ペダル6MTで走る楽しさはシビックでなければ味わえない。
そして三菱が誇るデリカD:5だ。最低地上高185mmで本格的4WDを採用する3列シートミニバン。ちょっとした悪路だってグイグイ入り込んでいける安心感はデリカD:5でなければ得られない。
スバルのクロストレックのようなクロスオーバーもトヨタがあまり積極的ではないカテゴリー。こうした『穴』で輝くクルマにも注目したい!!
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ジャストサイズのクロスオーバーSUVがカローラクロスだ。これと互角の販売合戦を演じているのがヴェゼルである。
現行モデルは第2世代で、カローラクロスに先駆けてベールを脱いだ。ボディ同色のグリルが嫌われたのか、先代ほどの強烈なインパクトはない。だが、2024年春にマイナーチェンジを断行し、走りの質感を大きく高めている。
足はグッとスポーティな味わいを強めたし、主役のe:HEVも洗練度を高めた。モーター走行のシーンが増え、静粛性も向上している。
カローラクロスもスポーティだが、FF車の軽快感と楽しさはヴェゼルにちょっと及ばない。また、キャビンの広さとラゲッジルームの使い勝手のよさもヴェゼルが少しリードだ。
カローラクロスは、ガソリン車、HVとも1.8Lで、余裕がある。HVは良好な燃費も魅力だが、実力を高めた最新のヴェゼルは脅威になるだろう。
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コメント
コメントの使い方売れる車しか作らないトヨタが悪いのか
コアな情報を地道に紹介しないジャーナリズムが悪いのか
ブランドでしか車を選ばない客が悪いのか
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