【シルビア、スープラ…】青春時代に心が躍ったスペシャルティカー5選

■マツダ ユーノスコスモ タイプE(4代目)

マツダ ユーノスコスモ。上位モデルには3ローターのロータリーエンジンが搭載されていた

 バブルの絶頂期、マツダは販売チャンネルを一新し、「EUNOS」を立ち上げた。そのリーダーとして、1990年春に送り込んだのがロータリーエンジン搭載のユーノスコスモである。

 贅を尽くしたプレミアムスペシャルティカーで、全幅は世界基準の1795mmだ。2+2レイアウトの高性能スペシャルティカーで、時代の先端をいくハイテク装備も数多く採用した。

 インテリアはゴージャスな造りだ。自発光式の電子アナログメーターを装備し、タイプEはオーストリア製の本革シートを奢っている。イタリア製の天然木をインパネの化粧板にあしらい、20BタイプE・CCSは量産車初のGPSナビを採用した。

 パワーユニットもすごい。ロータリーターボだけの設定とし、2ローター・ロータリーの13B-REWに加え、量産車としては世界初となる3ローターの20B-REWシーケンシャルターボを用意している。

 それまでに味わったことのない異次元の加速を見せ、高回転のパンチも格別だった。この感動と上質な走りをもう一度味わってみたい。今の技術で作れば、燃費だって悪くないはずだ。

■トヨタ スープラ(4代目)

トヨタ スープラ。「ハイパフォーマンス・スペシャルティカー」という名目で登場した

 スープラは、北米市場をターゲットに開発された直列6気筒エンジン搭載のスペシャルティカーだ。日本では第2世代となるA80系スープラは、1993年に誕生した。

 運動性能を高めるためにグラマラスなクーペボディを採用し、フェンダーもワイドだ。また、エアロダイナミクスも徹底的に磨き込み、エアロパーツもカッコいい。GZとSZでは脱着可能なエアロトップも選べる。

 パワーユニットは3Lの直列6気筒DOHCと、電子制御スロットルシステムを採用した2JZ-GTE型2ウェイツインターボだ。トランスミッションは、ゲトラグ社と共同開発した6速MTを主役とする。サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンで、トルセンLSDも組み込んだ。

 自主規制のために最高出力は280ps になっているが、強烈な加速を披露した。マイナーチェンジ後のスープラは、17インチタイヤや大容量のブレーキシステムだから、自慢のハンドリングにも磨きがかかっている。

 サスペンションに手を入れた後期モデルは、コントロール性も大きく向上した。可変吸気システムなどの導入により、エンジンの洗練度も高められている。

 最新のスープラも魅力的だが、ドライバーが操っている実感が濃厚なのはA80系スープラだ。デザイン的な好感度も高いから、あえて今の時代に2代目スープラに乗ってみたいと思うのは、ボクだけだろうか!?

■スバル アルシオーネSVX(2代目)

スバル アルシオーネSVX。質実剛健を売りとするスバルとしては珍しい1台だった

 スペシャルティカーとは無縁だったスバルは、1985年初夏にアルシオーネを発表し、発売した。が、期待の北米市場では今一歩の評価にとどまっている。そこでプレミアム性の高い4WDスペシャルティカーの開発に乗り出し、デザインをイタルデザイン代表のジョルジェット・ジウジアーロに依頼した。

 最初の計画では小型車サイズだったが、バブル期でイケイケの風潮が強かったためにワイドボディとし、パワーユニットも4気筒ではなく水平対向6気筒DOHCを選んでいる。こうした経緯を経て1991年9月に誕生したのがアルシオーネSVXだ。

 デザインは今でも通用する流麗なフォルムで、ラウンドしたキャノピーも美しい。搭載する3.3Lの水平対向6気筒DOHCは無類にスムーズで、高回転はパンチがある。

 電子制御の不等&可変トルクスプリット4WDに、ビスカス式LSDを組み合わせ、ハンドリングも軽やかだった。スタビリティ能力も高い。

 4気筒エンジンが全盛の今、気持ちよく回り、音色もいいボクサー6は魅力的な存在と映る。ハンドリングも軽快だから、今の技術を加えて磨きをかければ完成度は一気に高くなるはずだ。デザインもいいから、もう一度乗ってみたいという思いが強くなる。

【画像ギャラリー】ほかにもあった、青春時代に心躍らせたスペシャリティカーたち

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