名門マーチ復活を諦めたくない!! こんなかたちなら復活できる…はず!!

名門マーチ復活を諦めたくない!! こんなかたちなら復活できる…はず!!

 日産のエントリーモデルとして、40年という長きにわたって日本で販売されていた「マーチ」。残念ながら日本では2022年に販売終了となってしまったが、運転がしやすくて、丸っこくて可愛かったマーチは、いまもその復活を期待しているユーザーは少なくない。

 販売終了から2年、復活のウワサは依然として聞こえてこないが、マーチ復活を諦めたくない!! ということで、こんなかたちなら復活できるのではないか、というマーチ復活のシナリオを考えてみた。

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:NISSAN

【画像ギャラリー】これでいいから販売継続してほしかった!! 欧州で販売されていた5代目「マイクラ(マーチ)」(8枚)画像ギャラリー

日本のみならず、欧州でも消えてしまったマーチ

 高い品質とパッケージングをもちながら、入手しやすい価格設定で、世界中で評価されていた「マーチ」。コンパクトカーの人気が高い欧州でも、マーチ(欧州ではマイクラ)は高評価を得てロングセラーとなり、また東南アジアや南米でも人気を獲得していた。

 日本で最終型となった4代目(K13型)は、2008年のリーマンショックの影響が続く2010年のデビューだったことでコストダウンが図られたモデルとなり、生産も日本市場向けはタイ生産、欧州向けはインド生産に。マーチ(マイクラ)らしい価格設定は維持できたものの、先代モデルより品質の低下が指摘されてしまった。

 これをうけ、欧州市場向けのマイクラは、2016年に5代目(K14型)へとモデルチェンジ。翌年から販売となったが、これも2022年に生産を終了。東南アジアや南米では、いまも4代目が継続販売されているが、マーチの主なマーケットである欧州と日本市場からは、マーチ(マイクラ)は消えてしまった。

欧州で2017年〜2022年まで生産されていたマイクラ。カッコイイのでこのまま日本で売っても、それなりに売れそうなモデルだった
欧州で2017年〜2022年まで生産されていたマイクラ。カッコイイのでこのまま日本で売っても、それなりに売れそうなモデルだった

欧州マイクラは、BEVとなることが発表されている

 ただ、欧州のマイクラに関しては、ルノー・日産・三菱アライアンスで開発した新しいEV用プラットフォームCMF-B EVを使用した、ルノーのコンパクトBEV「ルノー5(サンク)E-TECH エレクトリック」の姉妹モデルが、マイクラの後継車として登場することが発表されている。

 公開されているデザイン(コンセプト)は大ヒットとなった3代目(K12型)からインスパイアされたものであり、車名が変更される可能性はあるものの、あくまでもマイクラの歴史や流れを継承したモデルになるだろう。

2022年に発表された新型コンパクトEV「マイクラの後継車」。LEDで表現された半円形のデザインが、K12型をオマージュしたようにみえる
2022年に発表された新型コンパクトEV「マイクラの後継車」。LEDで表現された半円形のデザインが、K12型をオマージュしたようにみえる

ただ、BEVになってしまうと、マーチは「マーチ」ではなくなってしまう

 となると、日本でもこの新型5(サンク)の姉妹車が、日産から「マーチ」として登場するようにも思えるが、そう簡単にはいかないと筆者は考える。

 新型5(サンク)は、全長3920mm、ホイールベース2540mmと非常にコンパクトだが、航続距離は300~400km(WLTP)にもなる。価格はフランス国内で2万5000ユーロ(405万円相当)だ。新型マイクラも、これに近しいスペックと車両価格になるものと考えられ、従来のマイクラからはかなり価格帯が上がることになる。やはりBEVとなると、価格帯が上昇してしまうことは避けられない。

 軽自動車のサクラだって259万9300円〜なのだから、もしマーチがBEVとなると、それより高く設定されると思われ、おそらくサクラ(税込259万円)とリーフ(税込408万円~)の中間となる333万円~程度にはなってしまう。

 そうなると、ノートよりひと回り小さいマーチがノートよりも高いクルマとなり、日産のエントリーカーであったマーチのイメージとはかけ離れてしまう。それはすでに「マーチ」ではなく、日産が国内で新型マイクラを販売することがあっても、それが「マーチ」として販売されることはないのではないかと思うのだ。

 筆者は、国内でマーチが復活することがあるのならば、いまも4代目が継続販売されている東南アジアや南米のマーチのフルモデルチェンジ版の日本導入が適しているのではないかと考える。これらの地域では、欧州とは違い、BEVとなったマーチを導入することは考えにくく、今後もマーチを販売し続けるのなら、すでに14年選手となっているマーチを、いずれ(マイクラとは別に)フルモデルチェンジをする必要がある。このフルモデルチェンジ版を日本に導入したほうが、「ノートはちょっと高いなぁ」と思っている日本のユーザーにとって、嬉しい選択肢になるはずだ。これが、マーチが「マーチ」として復活できる唯一のシナリオではないだろうか。

現在もメキシコで販売されているマーチ。フロントフェイスはスタイリッシュな雰囲気にアップデートされているが、リアから見ると4代目だとすぐわかる
現在もメキシコで販売されているマーチ。フロントフェイスはスタイリッシュな雰囲気にアップデートされているが、リアから見ると4代目だとすぐわかる

◆     ◆     ◆

 軽自動車の品質や安全性が向上したことから、いまは、マーチのようなクラスをあえて選択する必要性はないのかもしれない。ただ「軽自動車はいやだけど、もっと気軽なクルマが欲しい」と思っているユーザーは、まだまだ少なくないのではないだろうか。ここまで国内では電動化を強力に推し進めてきた日産だが、世の中の流れは微妙に変わってきている。ノートよりも気軽なコンパクトカーとして、名門マーチが復活してくれることを期待したい!!

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