10年10万kmはまだまだ通過点!? 20万km乗るためのクルマを長持ちさせるための最低限のメンテナンスとは

■足回りを交換してもっと長く乗りたい

足回りがヘタるとどのような兆候が出てくるのか?
足回りがヘタるとどのような兆候が出てくるのか?

 10万kmを超えてくると、足回りがヘタってくる。まだまだ乗り続けたいと思っているオーナーも多いが、足回りのヘタリを自分で見て判断することは難しい。ダンパーからオイルが漏れていれば(それだけで車検はNG)交換の必要があると分かるが、それ以外に見て分かるのはアッパーマウントやゴムブッシュの表面に亀裂が入っているくらいで、しかも内部にまでヒビが進行してしまっているかは判断しづらい。

 ゴムが硬化してしまっていても見た目には分からない。ゴムブッシュが割れたり、変形してしまっているようなら、交換時期だがクルマをリフトアップして点検しないとそれも見つけられない。

 やはり重要なのは異音と衝撃だ。特定の状況の時だけ異音が出るような状況なら、足回りの劣化やヘタリを見つけられる。例えば、片側のサスペンションが動いた時だけコトコト、ガタガタ音がするようなら、スタビリンクのボールジョイントか、アッパーマウントがダメになっている場合がある。

 確かめる方法としては、普段より強めのブレーキを掛けた時にノーズダイブが大きかったり、その後の揺れ戻しが大きかったりする場合はダンパーが抜けてきている証拠だ。走行中の振動で常にユラユラと落ち着かない場合も、ダンパーのヘタリが原因であることが多い。

 ブレーキを強めにかけると異音がするのなら、足回りのボールジョイントやブッシュを疑った方がいい。走行中にステアリングにコツコツと衝撃が伝わる、舵を切った時にコキンッと音と衝撃が来るような場合は、ステアリングのタイロッドエンドにガタが出ているかもしれない。

 ブッシュ交換をすると、クルマの動きが見違えるように落ち着いて走りがしなやかになる。ダンパーだけでは上下動しか改善できなかった動きが、細かな前後左右の動きまで落ち着くようになるからだ。

 サスペンションの部品点数と各パーツの価格は、メーカーや車種によって大きな開きがある。費用の参考までにヤリスやフィットなどのコンパクトカーの場合、アッパーマウントは4000円前後、純正ダンパーはフロント1本1万8000円前後、リアは1本5000円前後といったところ。ディーラーで交換してもらう場合は工賃を含めて12万~15万円くらいかかる。

黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる
黒いゴムの部分がサスペンションアームのブッシュ。ブッシュ類を交換することで見違えるほど乗り心地がよくなる

 ブッシュ類は数が多く、車種によって変わってくるため、一概には言えないが(NAロードスターは22個と多いことで有名)、フルブッシュ交換となると10万~20万円(工賃のほうが高い)くらいはかかると見ておいたほうがいいだろう。ディーラーや足回り専門ショップに一度相談してみるとよい。

 ロアアームのブッシュ交換も同時にやっておくことで工賃を節約できる。車種にもよるが国産車のロアアームのフロント、リアの新品部品をディーラーで購入すると工賃込みで1万5000円~。

 10万kmを超えたら間違いなく足回りのリフレッシュは効果があるし、10万kmに届かなくても10年以上経過していれば、足回りはヘタっていると思って間違いない。愛車を長持ちさせたいなら、クルマの足回りもリフレッシュしてみることをおススメしたい。

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