ソウルレッドはマツダにとっての伝統カラー。だけどこだわりが強すぎるがゆえに、新たなにマツダ車の購入を考えている人にとってはハードルが高いのもまた事実。これらの問題を解決するため、最近ソウルレッド以外のカラーも気合いが入っているではないか!
文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ
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マツダ車であることを象徴するボディカラーがある。その名もソウルレッドだ。古くからマツダでは赤いボディカラーが多くのクルマに採用され続けており、同じ赤でもバリエーション数は40色ほど開発されたと言われている。
マツダの赤へのこだわりは非常に強い。少し歴史を紐解くと、1962年に誕生したキャロルには宮島の大鳥居を彷彿とさせる名称の「トリイレッド」を設定。1980年代には”赤のXG”と呼ばれた初代FFファミリアの「サンライズレッド」に、ユーノスロードスターの「クラシックレッド」。1990年代はアンフィニRX-7の「ヴィンテージレッド」が登場した。
2000年代になっても赤色の種類は増え続けて、RX-8には「ベロシティレッドマイカ」を設定。そして2012年、3代目アテンザに「ソウルレッドプレミアムメタリック」を初採用。さらに「ソウルレッドクリスタルメタリック」へと名称が改められて進化しており、マツダのシンボルカラーとして歴史を歩み続けている。
実際ソウルレッドは熟成ワインのような色合いで、立体感や躍動感にあふれる非常に鮮やか。太陽の光があたり、ボディがピカッとした際には思わずウットリしてしまうくらい美しい。
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その一方で、ソウルレッドにはネガティブな要素もある。それは、長年マツダ車を買い続けているオーナーのハートをキャッチすることはできていても、他社からの乗り換えや新規で購入を考えている層にとってはハードルが高いの点だ。単刀直入にいうと、ソウルレッドは「マツダオタク感」が強くなってしまっているのである。
マツダとしては、ソウルレッドを愛し続けているオーナーの気持ちを大切にしつつ、新規購買層の獲得も増やしていきたいところ。これらの問題を解決するために、最近では赤以外のボディカラーのこだわりも高めている傾向だ。
例えばCX-5から設定を開始し、今ではロードスターやマツダ3でも選択可能になった「ジルコンサンドメタリック」は、カーキ系で、シャドウとハイライトにメリハリがあり、硬質な立体感を感じさせる。またレトロっぽいハズシ感も素敵で、若年層から絶大な支持を受けているのだ。
さらに2023年のマイナーチェンジで、多彩なカラーコーディネーションが楽しめるようになったマツダ2も魅力的。なかでもパッケージセットの1台である「ルーキードライブ」は、水色とオレンジがうまく重なり合っており、ポップでかわいらしい。ル・マン24時間レースで活躍したフォードF40やポルシェ917がまとった「Gulf」カラーらしいのも、高ポイントだ。
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そして北米専用モデルのCX-50には、新色「サイプレスグリーン」を追加。色合いは決してライトではないが、MINIのブリティッシュグリーンの濃さよりは軽めといったところだろうか。これまでのマツダ車にはなかったオーラを醸し出している。
現時点では日本導入もアナウンスはないが、いずれ選択が可能になる日が訪れることを期待したいところ。サイプレスグリーンのロードスターとか、想像するだけでワクワクが止まらない。
そのほか日本市場デビューを果たしたCX-80には、「メルティングカッパーメタリック」と「アーティザンレッドプレミアムメタリック」の新色2色が選択できることも忘れてはいけない。
ソウルレッドへのこだわりを大切にしながらもカラーバリエーションを拡充し、購入層の窓口を広げているマツダの戦略。そのチャレンジな姿勢は非常に良心的だし、つい推したくなる。次はどんなカラーが登場するのだろうか。
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