大切に乗ってきたのに、長く所有したら重課されるのはおかしくない!??
また、自動車税(種別割)や自動車重量税の13年超車への税額重課も、問題視されています。自動車税(種別割)では、エコカーに該当しないクルマの場合、登録から13年経過したクルマには約13%の重課、自動車重量税でも、同様にエコカーに該当しないクルマでは、13年後に約40%も重くなり、18年経過するとさらに10%程度もの重課となります。
地球環境保護の観点から、環境にやさしいクルマへの切り替えを促す目的で設定されたもので、「13年」という区切りについては、「平均車齢」で決められたとのこと。しかしながら、長く乗るためにメンテナンスを怠らず、大事に乗ってきたオーナーにとっては、心外もいいところではないでしょうか。
環境問題への対策が必要なのはわかりますが、車齢で区切って重課するというのはあまりに安直。そして13年でクルマを乗り換えていくことが本当に環境にやさしいのかも疑問です。
日本の自動車産業の市場規模はおよそ60兆円、新車販売台数はおよそ420万台にもなり、日本経済を回すには、クルマを買い替えていくことが重要だといわれますが、エコという側面だけで考えれば、適切にメンテナンスをしながら一台に長く乗り続けたほうがエコなはず。いくら近年のクルマが低燃費(=環境負荷が低い)だからといって、新たにクルマを一台つくり出す際のCO2排出や資源、エネルギー消費を回収することは難しく、近年高額化した新車価格の影響で、クルマを買いたくても買い換えられない、という人も少なくないはずです。
2026年度税制改正以降では、大きく変わる可能性が
国土交通省の2025年度(令和7年度)税制改正要望事項をみると、主要項目以外の項目として、「自動車関係諸税の課税のあり方の検討」が挙げられており、「自動車関係諸税については、令和6年度(2024年度)与党税制改正大綱の検討事項を踏まえ、日本の自動車戦略やインフラ整備の長期展望を踏まえるとともに、「2050 年カーボンニュートラル」目標の実現に向けた積極的な貢献、(略)公平・中立・簡素な 課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う。」としています。
その令和6年度(2024年度)与党税制改正大綱では、「次のエコカー減税(自動車重量税)の期限到来時(2026年4月30日)までに検討を進める」とされており、自動車税(種別割)のグリーン化特例も2026年(令和8年)3月31日に期限が到来することから、2026年度(令和8年)税制改正以降では、自動車関連諸税の制度が、大きく変わる可能性があります。
ぜひとも、時代にあわせたアップデートを!!
これらガソリン税や13年超車への重課税もそうですが、クルマの電動化が進む中において、自動車税/軽自動車税の排気量に応じた課税も、これからの時代にふさわしい税体系とはいえず、見直しが必要。100年に一度の変革期にあるといわれる自動車産業を盛り上げていくためにも、国の積極的姿勢は、必須ではないでしょうか。
JAFは、「日本社会や自動車産業がかつてない変化を求められている中、現行の自動車税制の税体系や課税根拠は、社会の変化スピードに適応できておらず、抜本的な見直しが急務」「環境激変への適応や、魅力ある日本市場の形成・活性化を図っていくためにも、新たなモビリティ社会を踏まえた公平簡素な税制の実現に向け、直ちに、自動車税制抜本見直しの国民的な議論を深めていくべき」とする要望を発表、また、神奈川県や愛知県などの8つの都道府県知事等も「自動車産業が引き続き日本の基幹産業として日本経済・社会を支えていくことは、将来にわたり、地方が安定した雇用や税収を確保するうえで重要であり、そのため税制が果たす役割は大きい。」とする、令和7年度税制改正において自動車諸税の抜本的な見直しを求める緊急声明を2024年11月に発表しています。
私たちが平和で豊かな生活をしていくためには、税金を納めることは必要なことではあります。しかしながら、時代に合わせたアップデートをせず、税負担を増やしていくだけの方策では、ますます国内の自動車市場は縮小していってしまいます。ぜひとも、日本の基幹産業である自動車産業を守っていくための抜本的な見直しがなされることを期待したいです。
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