さまざまなクルマに乗ってきた自動車評論家ならば、高速道路上でのトラブル経験もあるはず。ということで本誌でもおなじみ、自動車評論家の鈴木直也氏、片岡英明氏、国沢氏光宏の3名と編集部・梅木にその経験談を語ってもらった!!(本稿は「ベストカー」2013年11月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:鈴木直也、片岡英明、国沢光宏、編集部梅木
■目の前で友人のバイクが転倒。その時どうした?(鈴木直也)
友人とバイク、クルマ数台でツーリングに向かう道中、夜の東北道でそのなかのバイクに乗る女性が転倒。クルマを路肩に寄せ、救助を待った。
このときの教訓は高速道路上で事故を起こしたらまず自分のクルマの前方に行くこと。もし後方から他車が来ても自分のクルマがバリアになるからだ。
それからボクは仕事柄、サーキット走行する機会が多いけど、カメラマンを見ているとどこからクルマが飛び出してくるかという想像力が豊かで、彼らは危ない場所では写真を撮らない。公道上でもそういう想像力を持つことが重要だね。
●教訓
車外に出る場合はクルマの前方へ避難。また常にクルマが飛び出しやすい場所などを想定する。
【画像ギャラリー】高速道路でバースト、友人のバイクが転倒!? そんなときどうすればいい!!? 事故後の行動を聞いてみた「私はこうしてトラブルを回避した」(2枚)画像ギャラリー■ランクルのタイヤが高速道路でバースト(片岡英明)
関越自動車道でランドクルーザーの右前輪がバースト。路肩にクルマを寄せ修理しようとしたが、バーストしたのが右前輪だから後方から次々とくるクルマが危険でなかなか車外に出られなかった。
教訓としてパンクした状態でもホイールは丈夫で1kmくらいなら走るから、グリーンベルトまで行って停車すること。
また事故発生時は焦るから日頃からジャッキなどの工具を使える状態にして、車内に置く場所も明確にしておく。そうした準備が事故時の作業時間短縮や事故防止につながる。
●教訓
工具などを使える状態に備えパンクしてもすぐに停車せず、安全な場所を目指す。
■高速で突然のエンスト(編集部・梅木)
11月下旬の午後4時過ぎ、福島県内の東北道走行中に突然の息つき。
あたかもガス欠のような症状だが、さっき高速道路に乗る前に満タンにしたばかり。惰力が残っているうちに左ウィンカーを点滅させ、路側帯に逃げて停車後ハザード点滅。
運転席ドアポケットに常備しているLEDフラッシュライトを点滅させつつ後方を注意して車外に。10mほど後方で発煙筒を焚いて三角表示板をセットしたらガードロープ外に出て緊急連絡。
たまたま巡回中の福島県警高速隊のパトが止まってくれたのだが、「完璧な対処です」と褒められたよ。
●教訓
エンジントラブルなどの場合、慌てず惰力が残っているうちに路側帯に逃げること。絶対本線上で止まらぬことだ。
■参戦したラリーでのクラッシュ(国沢光宏)
意外かもしれないけど、ラリーでクラッシュした時も高速道路上で事故を起こした時も、救助がすぐにこないという点では状況は同じ。
昨年タイで開催されたキングスカップラリーでもコースアウトしたけど、ラリーでは約1分後には他車が突っ込んでくるから、まずクルマから降り身の安全を確保。と同時に自分のトラブルで人にケガをさせないことも大事。
そのためラリーでは三角停止板の装備が義務づけられ、クラッシュした時はマシン後方に間隔を空け2つ三角停止板を設置する。
高速道路で事故を起こした時も基本的には同じ。三角停止板が無ければ洋服でもいいから目印を置いて「ここでトラブルあり」というメッセージを伝えるべき。
●教訓
基本的なことだが他車にトラブルの発生を知らせ安全を確保しつつ、自らも直ちにクルマから離れる。
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