「最近のクルマってどれも似たような……」と思っているのは、何も私だけではないはずだ。いや、もちろんすべてではない。でも、「あの頃憧れたあのクルマや気に入っていたあの装備、もうないんだよね……」と寂しく思うことはある。
文/山口卓也、写真/トヨタ、日産、マツダ、写真AC、CarsWp.com
■「あったら便利はなくても平気」なんだろうけど…
「クルマが趣味!」と言う人のなかには、わざわざこの時代にMT車に乗る人もいるし、古くて手のかかりそう、たくさん荷物が積めるわけでもない、対して速いわけでもない……な、ハタからみたらちょっと不便そうなクルマを溺愛する人だっている。
現代のクルマのように、なんでもかんでも快適で、便利な装備の付いたクルマだけが「欲しい! と思えるクルマ」なわけじゃない……。
というわけで、かつてのクルマに見られた「もしかしてほんとは必要ないかもしれないけど、おじさん的にはまだ残してほしかったな〜」という装備を4つ紹介する。
【画像ギャラリー】なくなっても困りはしないんだけど…(15枚)画像ギャラリー■エントリーNO.1 リトラクタブルヘッドライト
![クルマを愛するおじさんとしては残してほしかったが…[なくても困らない装備]4選](https://img.bestcarweb.jp/wp-content/uploads/2025/01/27174253/c_2000gt_002_s_2-600x243.jpg.webp)
思いきり“スーパーカー世代”だった筆者は、かっこいいクルマ=リトラクタブルヘッドライト装備車だった。
スーパーカー世代なので、もちろん “カー消し”も集めた。ランボルギーニ・カウンタックLP400や500、フェラーリ・512BBのシャープなフロントデザインが超絶かっこ良くて、リトラクタブルヘッドライト車のカー消しは宝物だった。
逆に、リトラクタブルヘッドライトじゃないってだけで、今見たら「クソかっこいい!」と思えるミウラやイオタのカー消しはホイっと人にあげたりして……。
リトラクタブルヘッドライトはトヨタ・2000GTをはじめ、AE86トレノやニッサン・Z31、ホンダ・2代目プレリュード、マツダ・RX-7シリーズにも採用され、かつては大いに盛り上がっていた装備。なのに、今では見なくなってしまった。
リトラクタブルヘッドライト装備のクルマを見なくなったのは、多くの国や地域で常時点灯が義務づけられたことが始まり。
加えて、開くと突起物となるため歩行者保護の観点から好ましくない、HIDやLEDの登場でリトラクタブルじゃなくともシャープなデザインが可能になったことも姿を消した原因といわれている。
しかし、2023年のマツダのコンセプトカー“ICONIC SP”ではリトラクタブルヘッドライトが装備された。
デザイナーいわく「単純にかっこいいから」だそうで、その理由がサイコー!
RX-7(FD3S)で幕を閉じたと思われた国産車のリトラクタブルヘッドライトシーンの第2章……とはならないだろうけど、おじさん的には非常にワクワクしたのだ。
【画像ギャラリー】なくなっても困りはしないんだけど…(15枚)画像ギャラリー■エントリーNO.2 機械式アナログメーター
メカ好きな人には“針”で動くメーター好きな人が多いと思う。
筆者が中学生の頃、友人宅にTRIOの機械式アナログレベルメーターが付いたステレオがあった。音楽が始まるとメーターの針がビンビン動き、聞いている音楽に命が吹き込まれた感じがして心が躍った。
かつて、クルマの世界ではメーターは多いほどエライとされ、◯連メーターなどの装備はスポーツカーの象徴でもあった。
その後、初代ソアラに搭載された国産車初のデジタルメーターには近未来を感じさせられたが、あの機械式アナログメーターの“戦闘機のコックピット感”のようなワクワク感はあまり感じられなかった。
客観的に数値を知りたいだけならデジタル表示でいいが、チラッと見た時に直感的に状態がわかるのは機械式アナログメーターだと思う。
正常値が真上にくるようにセッティングされたかつてのレーシングカーを知るおじさんにとってはやっぱり“針”だし、その“数”にもワクワクする。
近年ではデジタル方式のアナログ表示メーター搭載車も多くあるが、機械式の針の生き物のような動き、針の動き方によって愛車の調子もわかる機械式アナログメーターとはまたちょっと違うんだよな……と思うのである。
【画像ギャラリー】なくなっても困りはしないんだけど…(15枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方SA22が出た時にはスーパーカーブームは終わってました。
最初のデジパネは、いすゞのピアッツァになるはずだったけど、認可が降りずトヨタのソアラは、すんなり認可が降りて企業の差だと言われてた。
やっぱリトラよなあ。あれが付いてるだけで速そうだもん。
下から上がって来るのがよく見られたけど、上からグルっと回ってでてくるのもあったたよね。
今どきのメーターは針が付いていても電気仕掛けなので機械式というのは少し語弊があるかな?
ほんとに機械式だと昭和の車になっちゃいそう。
速度計は数値が読み取れるセグメント表示、回転計は絶対値より領域を読み取れる針やバー表示が見やすいと思うけどな。
リトラは…ノーズを低くし光軸を高い位置に、なんてのはどうでも良く、完全に男の子のロマンです。
仕事でハイエースのバンに乗っていたけど、コラムのマニュアルシフトは操作していてとても楽しかった。それに比べてATのコラムシフトはスイッチを切り替えるだけになってしまいつまらなかったな。
アナログメーターが状況や環境によっては見易いのは同意します。世代がたぶん一回り違ってもここは分かる
リトラの方は本気で分からない…重量増で運動性下げるうえ、衝突相手にに危険までもたらすのに、開いてる時カッコ悪い