愛車を所有していると毎度悩ます問題といえばガソリンや軽油の価格。ピュアEVならともかく内燃機関のクルマであれば、「リッターあたり、いくらで入れられるか」は切実な問題だろう。
そんな燃料の価格も20年ほど前はレギュラーガソリンでリッター100円近くまで下がった時代もあったが、最近ではガソリン価格も昔に比べると比較的落ち着いているといっていい。
しかし、そうはいっても資源エネルギー庁が2019年11月27日に発表したレギュラーガソリンの全国平均価格は前週に比べ0.2円アップの147.1円と4週連続の値上がりだ。
昔から、ガソリンを安く入れる方法としてよく言われているのは「土日になると価格が下がって、月曜日になると価格が上がる」。
これは一部の地域だけなのか、それとも単なる都市伝説なのか?
そこで、1週間の内、ガソリンはいつ入れるのが安いのか? そもそもガソリンの価格ってどうやって決まるのかを含めて、少しでもガソリンを安く入れるための賢い方法をモータージャーナリストの野里卓也氏が徹底解説する。
文/野里卓也
写真/野里卓也 ベストカーWEB編集部
乱高下するガソリン価格のなぜ?
ガソリン価格の元になる指標といえば原油価格だが、そこから話を始めると非常に長くなるので、街中のガソリン価格から見ていこう。ここ50年の都内のGSで販売されているガソリン1L当たりの価格を見てほしい。
まず、見てもらいたいのは1999年5月に記録したリッターあたり97円という価格だろう。当時はOPEC(石油輸出国機構)が増産、その一方でアジア通貨危機が発生し、経済が低迷したおかげで需要と供給のバランスが崩れ、瞬間風速的に過去40年(1979~2019年)で一番、安値を示していた。
GSの店頭に示される販売価格が日によって、あるいは時間によって目まぐるしく変わっていく様子を覚えている人も多いはず。
そして、11年前の2008年には原油価格の高騰により、最高値の182円をマーク。当時、街中にあるGSより高速・自動車道に立地するGSが安いという現象が出たことで、件のGSに給油するクルマが殺到したのが話題になった。
ちなみにこの原因は当時、高速・自動車道のGSで販売するガソリン価格は「前月の全国のガソリン平均価格で販売をおこなう」という制度があったために起きた現象。今はその制度は廃止され、街中のGSよりも販売価格が高くなっている。
さて、問題は直近の価格だ。2019年10月で146円となっている。2008~2009年は原油価格の高騰とリーマンショックがあったことで落差が激しく、2015年は米国のシェールオイル増産などの影響により下落と、ここ10年間で乱高下はあったものの、価格がジワジワと上昇傾向なのは間違いないだろう。
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