2023年1月にスズキがインドで世界初公開した「5ドア版ジムニー」登場の衝撃から早2年、ついに日本にも登場した、スズキ新型「ジムニーノマド」。3ドアのジムニー/ジムニーシエラよりも使い勝手が向上する5ドア版の登場は、心待ちにしていた人は多いことだろう。
はたして、新型ジムニーノマドはどんなクルマなのか!?? 詳細をご紹介しながら想定されるライバルとの違いを確認してみよう。
文:吉川賢一/写真:SUZUKI
【画像ギャラリー】いよいよ発表!! スズキ新型「ジムニーノマド」を写真で詳しく!!(19枚)画像ギャラリー予想よりも安かった!! 5速MTで265万円、4速ATで275万円!!
新型ジムニーノマドの魅力は、これまで通りの本格的な小型オフローダーとしての素質を備えながら、5ドア化などによって使い勝手を向上し、一般ユーザーの街乗り需要にも応えたパッケージングとなっていることだ。
たとえば、後席エリアを確保するため、ジムニーシエラに対し、全長およびホイールベースを430mm拡張し、室内長はジムニーシエラの1,795mmに対して1,910mmと、115mmほど長くなった。後席シートもしっかりとしたもので、ラゲッジルームにはインナートリムパーツを、バックドアにはノマド専用エンブレムを装備するなどで特別感もアップさせ、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」を標準装備し、AT車にはACC(追従速度は40km/hまで。停止保持や渋滞時再発進の機能はない)を追加するなど、先進装備もしっかりと装備されている。
グレードは、1.5L直4ガソリンエンジンの「FC」のみで、5速MT車が本体価格265万1000円(税込)、4速AT車が275万円。ジムニーシエラと比較すると約60万円の価格アップとなるが、ACCなどの先進安全装備も充実したことを考えると、予想していたよりも安いと感じる。発売開始予定日は2025年4月3日。スズキのインド工場で生産し日本へ輸入する流れは、フロンクスと同じだ。
ライバルはロッキー/ライズ、WR-V、そしてデリカミニか!??
本格的なクロカン4WDであるジムニーノマドのライバルは、現在の日本のラインアップには存在しない。いるとすれば、ジムニーやジムニーシエラなどの身内になるのだが、街乗りメインの一般ユーザーは、全長4m未満で総額300万円程度のコンパクトSUVを比較対象として浮かぶはずであり、そこからジムニーノマドのライバルになりそうなクルマを、何台かピックアップしてみた。
まず、筆頭となるライバルは、やはりダイハツ「ロッキー」/トヨタ「ライズ」だろう。全長4m未満と、ノマドとボディサイズ的にも近く、廉価なFFモデルが主流だが、4WDモデルもあるので、雪道などの悪路でも安心感のある走りが期待できる。
燃費の面でも、1.2LガソリンFFはWLTCモード燃費18.4km/L、4WDは17.4km/Lと優秀で(ジムニーノマドは5MTが14.9km/L、4ATが13.6km/L)、全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール/停止保持機能あり)や、LKC(レーンキープコントロール)も備わる。価格はFFモデルが180~215万円(税込)、4WDモデルは207~241万円。ジムニーノマドにとってかなり手ごわいライバルだ。
もうひとつ、ホンダ「WR-V」もジムニーノマドと車格や価格帯が近い。全長4,325mmとジムニーノマドよりもひと回り大きいため、軽自動車がベースとなるジムニーノマドよりもはるかに広い車室をもち、パワートレインは1.5L 直4ガソリンエンジンで、燃費は16.4km/L。出来が素晴らしくいいホンダセンシングなどの先進運転支援技術も標準搭載しており、一般道での運転はWR-Vのほうが圧倒的に楽なはずだ。
FFモデルの車両価格は209~248万円と比較的安価だが、WR-Vには4WDモデルがなく、悪路走破性を求める人には、少し物足りないかもしれない。
もうひとつ、三菱の「デリカミニ」も挙げておきたい。デリカミニは、テストコースで念入りにチューニングしたという「4WD専用の足周り」が自慢で、大径タイヤと高い車高も手伝い、圧雪路や砂利道だけでなく、オフロード路面もかなりイケる仕上がりだ。この走破性に魅力を感じたユーザーは多かったようで、発売開始前に得た16,000台の予約注文のうち、ターボエンジン仕様の4WDの割合が多く、通常2割程度の4WD比率が、なんと6割だったそう。
エンジンは660cc直3ガソリンエンジンで、車両価格はFFモデルが183~210万円、4WDモデルが204~227万円。見た目もかっこよく、軽としては高い悪路走破性を持つデリカミニは、意外と侮れないライバルなのではないだろうか。
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