■ターボ新時代! 日本車の原点回帰なるのか!?
現在日本車でガソリンターボエンジンを搭載するのは、軽自動車を除けばわずか11モデル。トヨタ、ホンダ、マツダにガソリンターボはない。
ターボが減少した理由のひとつは自動車税の改正。大排気量車も段階的な税率となったことで3~3.5Lクラスが一般的になり、ドライブフィールに勝るNAが増えたこと。
また、スポーティモデルが減少したためハイパワーターボエンジンを求めるニーズが減ったということもある。
環境意識が高まってくるとともに、『ターボは燃費が悪い』という、当時の燃焼制御技術の限界もあり、「ターボ=悪」のイメージが高まっていったことも大きな理由となる。
ところがここにきて再び日本メーカーがターボエンジンの投入に動き出した。スバルの2L直噴ターボはその先駆け的な存在だし、レヴォーグに搭載する1.6L直噴ターボにも注目したい。
さらに気になる動きがホンダ。ジャーナリスト向けイベントで公開した直列3気筒1L直噴ターボと直列4気筒1.5L直噴ターボ、さらにシビックタイプRに搭載されるという2Lハイパワーターボの存在だ。
いずれも新開発のターボエンジンで、直噴ターボというのがポイント。
「ターボは直噴でないとダメ。昔のターボはポート噴射で緻密な燃焼コントロールができなかった。そのため、燃料を大量に吹いてノッキングを防いでいたので燃費が悪くなってしまった。現代の、燃費のいいターボは直噴技術で緻密な燃料噴射制御をすることでノッキングの発生を抑制でき、ハイパワーと省燃費の両立が可能になっている」と国沢光宏氏は解説。

ホンダが開発するダウンサイジング直噴ターボは鈴木直也氏も注目をしていて、「いま、ホンダのエンジニアの士気がものすごく高く、とにかく面白いことになってきた雰囲気がプンプン」と見る。
「特に直4、1.5L直噴ターボは今すぐにでも新型オデッセイに搭載して日本で売るべき!!」と声を大にする。
トルクの出方やアクセルに対するレスポンス、パワー感など、とても完成度は高く、素晴らしい仕上がり具合なのだ。
「このエンジン、オデッセイなどに積んでいる2.4Lの置き換えを狙ったもので、主なマーケットは中国を想定していると思う。今、中国は急激なクルマの増加に抑制をかける意味もあって排気量による税率を強化している。昔の日本と同じだね。2.4Lと1.5Lターボではぜんぜん税金が違ってくるというからホンダはここに投入する可能性が高いと見ている。また、中国ではVWがダウンサイジングターボのいい印象を植え付けているので、今がチャンス」と直也氏は分析する。
「1L、直3については、若干3気筒特有のバイブレーションを感じるけれど、パフォーマンス的にはトルクフルでアクセルレスポンスにも優れている」
と、これまた高評価。パフォーマンス的には1.6~1.8Lエンジンの置き換え用となるだろうが、どんなクルマに積んだら楽しいか!?
フィットクラスに積んだら楽しいだろうが、日本はハイブリッド優勢なので、価格面でのメリットが欲しいところだ。
これまでターボには消極的だったホンダだが、新世代のエココンシャス過給エンジンの開発に本気で動き出したことで、ターボ全盛だった日本車への原点回帰の動きにブーストがかかりそうだ!!
(写真、内容はすべてベストカー本誌掲載時のものです)
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