気にしてみると、最近3本出しマフラーを採用するケースが増加傾向にある。国産車ではシビックタイプRやGRカローラがその代表だが、なぜ奇数の3本なんだろうか。その疑問に向き合ってみた!!
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】LFAに458イタリアまで!! 3本出しマフラーを採用したスーパーカーのリヤを見て!!!!! (6枚)画像ギャラリーかつて3本出しは珍しかった
スポーツカーやスポーツグレードの醍醐味は複数存在するが、マフラーの存在はサウンド面だけでなく、リアビューを引き締めてくれるという効果も見逃せないポイントだろう。
古くは小径2本出しがスポーティだった時代もあり、近年では大口径の存在感溢れる出口がハイパフォーマンスの証。またスーパースポーツモデルなどでは純正で左右に4本出しのようなものも珍しくなくなっているのだ。
そんな純正マフラーだが、近年リリースされた国産ハイパフォーマンスモデルにはなぜか3本出しのものが採用されているのが目に付く。
例えばシビックタイプRは先代型から3本出し。2022年9月に発表された現行型でもそれが踏襲されているし、2023年からデリバリーが開始されたGRカローラも形状こそシビックとは異なるが、こちらも3本出しのマフラーを採用しているのだ。
【画像ギャラリー】LFAに458イタリアまで!! 3本出しマフラーを採用したスーパーカーのリヤを見て!!!!! (6枚)画像ギャラリー車外騒音規制が大きく関係
この3本出しマフラー、見た目のインパクトはかなりのものであるが、狙いはそこではなく(少しはあるかもしれないが)、年々厳しくなる車外騒音法規をクリアするための策のひとつとなっているのである。
シビックタイプRもGRカローラもターボエンジンを搭載しており、当然ながらピークパワーを求めるのであれば、排気抵抗は少ないに越したことはない。そのため両車とも純正マフラーはほぼまっすぐに近い形で伸びてきている。
ただ、そのまままっすぐ排気を排出してしまうと爆音になってしまうため、やむを得ずタイコと呼ばれる消音スペースを設け、そこである程度音を下げてから出口からリリースして、最終的な音量をグッと下げているのだ。
しかし、高回転域までエンジンを回したときは間違いなく排気抵抗となってしまうことは避けられないため、エンジンの回転数などに応じて開閉するバルブをセンターの出口の手前に設け、高回転時にはスムーズな排気とすることで出力アップを実現しているのである。
そのため3本出しの中央はバルブ付きのストレート構造とし、低負荷でクルージングなどをしているときは中央のバルブを閉じ、左右から排気することで静かな排気音を奏でるという可変システムとなっているというワケ。
出力の向上と騒音の低減という相反する部分を両立するために生まれたのが3本出しマフラーということなのだ。
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