CEOが辞任するなど混乱中のステランティスグループ。絶妙に微妙なブランドが集まっている感も否めないが、乗ると個性的で味わい深いクルマが多く、中古車も安い! イタフラ好きのご存知清水草一氏がステランティスの魅力をお伝えする!!
※本稿は2025年1月のものです
文:清水草一/写真:ステランティス、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年2月26日号
陽気なラテン系が大集合したステランティス
ホンダと日産が経営統合協議を開始と聞いて、真っ先に思い浮かんだのは、「もうひとつステランティスができちゃうのかも」ってことだった。
そのココロは「ムダに大きい」ってこと!
ステランティスには14ものブランドがあるけれど、決定的な強みを持ったものはない。ベースはあくまで、フランスを代表する自動車ブランド・プジョー/シトロエンと、同じくイタリアを代表するフィアットグループ。
つまり、陽気でちょっと抜けてるラテン車だ。一緒になって本当に経営効率が上がって行くか未知数だし、技術的にも将来性は見通せない。
でも、そんな先のことを考えてもしょうがない! いま、魅力的でお買い得なクルマがあれば、オレたちクルマ好きはそれでいい! だから、がんばれステランティス!
【画像ギャラリー】将来性? 技術力? いま魅力があればそれでいいよ!! カーライフが底抜けに明るくなるステランティスのクルマ(16枚)画像ギャラリー軽くおさらい! ステランティスの生い立ち
ステランティス成立の道のりは、合併の積み重ねだった。
イタリアの自動車ブランドを徐々に吸収・独占化したフィアットが、経営難に陥っていたクライスラーを完全子会社化してFCAとなったのが2014年。その時点で9つのブランドを持っていた。
一方のPSA(グループ・プジョー・シトロエン)は、2017年にGM傘下だったオペル/ボクスホールを買収して5ブランドに。
その両社が2021年に合併し、ステランティスとなったことで、販売台数で世界第4位、合計14ものブランドを持つ、巨大自動車メーカーが誕生したのである!
なんだか成功物語みたいだけど、そうでもないことは皆様ご承知のとおり。がんばれステランティス!
【画像ギャラリー】将来性? 技術力? いま魅力があればそれでいいよ!! カーライフが底抜けに明るくなるステランティスのクルマ(16枚)画像ギャラリーイタフラ以外も一応紹介しておこう
ステランティスはイタリア系およびフランス系ブランドが主軸だが、アメリカ系ブランドも合計6つ傘下に収めている。
FCA傘下だったクライスラー系4ブランドは、生粋のアメリカン。ジープは世界中にファンが多く、なかでも本格オフロード4WD・ラングラーの人気は高い。クライスラーブランドの撤退後も、日本での販売は好調だ。
ラムはアメリカンピックアップトラック専門ブランド。迫力あり過ぎなフロントフェイスが超スゲエ。ダッジはチャージャーというマッスルカーを持ち、ごく一部に熱狂的なファンを持つ。
一方、PSAが買収したGM系のオペル/ボクスホールは、欧州の大衆車ブランド。オペルは一時ヤナセが扱って日本での販売を伸ばしたが、その後ブランド価値が崩壊。ながらく正規販売が途絶えており、それほど強い個性もないので、特定のファンは多くない。再上陸の発表もあったが、現在は立ち消え状態だ。
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