ついに、やっと、登場したスズキ ジムニー5ドア。1970年の初代登場以来、55年目で初の5ドアなのだから、まさに「歴史が動いた」というところだろう。ちょっと懐かしい名前……「ノマド」を名乗るこのクルマの詳細をご紹介しよう!!
※本稿は2025年2月のものです
文:ベストカー編集部/写真:森山良雄、スズキ
初出:『ベストカー』2025年3月10日号
お待たせしました! いや……
お待たせしすぎたかもしれません。2025年1月30日、歴代ジムニー初の5ドア「ジムニーノマド」が登場(発売開始は4月3日)。インドのグルガオン工場で生産し、湖西工場(静岡県)で仕上げて日本で販売する。
ノマド(フランス語で“遊牧民”の意味)といえば、1990年9月に登場した初代エスクードノマドを思い出す読者も多いだろう。3ドアだけだったエスクードに5ドアを追加して、ノマドのサブネームを付けた。今回のジムニーはそれを踏襲しているというわけだ。
ノマドの開発計画が始まったのは2020年。2018年の現行型デビューの2年後で、過去3代目まで5ドアの要望は少なかったが、現行型から声が大きくなり、その必要性を感じたからだという。もちろん、ユーザー層の裾野を広げるためでもある。
【画像ギャラリー】待った甲斐がありました!! スズキらしい&ジムニーらしいこだわりタップリのスズキ ジムニーノマド参上!!(28枚)画像ギャラリー5ドア化の必須条件「悪路走破性を犠牲にしない」
ノマドを開発するにあたって重視したのは、5ドア化しても悪路走破性を犠牲にしないことだった。それがジムニーの生命線であることを誰もがわかっているからだ。
その結果、フロントのアプローチアングル(36°)、リアのデパーチャーアングル(47°)は変わらず、ホイールベースが伸びることで悪化するランプブレークオーバーアングルも28°から25°と最小限の減少に抑えている。
ホイールベースは340mm伸びているが、それも25°のアングルを確保するために決められた数値だという。
一方で340mmのホイールベース延長はやはり効果が大きく、後席ヒップポイントはシエラ(3ドア)に対して50mm後方に移動して膝回りの空間を拡大。また、座面の厚みを20mm増やし、シートバックも厚くして後席の座り心地を大幅に向上させている。
シエラでは常に後席を倒し、2シーターとして使っているユーザーが多い。それゆえ荷室の利便性を重視し、フロアがフラットになるよう後席の座面やシートバックは厚みを減らしているが、ノマドでは座り心地を優先。もちろん、ラゲッジスペースも拡大している。
ホイールベースの延長に伴い、ラダーフレームにセンタークロスメンバー、サイドフレームリーンフォースを追加し、さらにバルクヘッドの強化などで剛性を確保。前後の強度、バランス合わせに苦労しながら、ジムニーノマド専用フレームを完成させた。
ボディサイズは全長3890×全幅1645×全高1725mm、ホイールベース2590mm。全長とホイールベースが340mm伸び、全高が5mm低くなっている。
【画像ギャラリー】待った甲斐がありました!! スズキらしい&ジムニーらしいこだわりタップリのスズキ ジムニーノマド参上!!(28枚)画像ギャラリーサスは締める方向でセッティング
リアドアが増え、全長とホイールベースが伸びた以外、5ドアのノマドと3ドアのシエラはほぼ同じ内容だと思っていい。
エンジンはK15B型直4、1.5L・DOHCで102ps/13.3kgmのスペック。副変速機付きパートタイム4WD(FRと4WD)で、5速MTと4速ATを設定する。
実は、日本国内でのジムニーのMT比率はそれほど高くないというが、販売比率は低くても、MTを残すのはジムニーなら当然の判断。
サスペンション(前後3リンクリジッドアクスル式コイルスプリング)はサイズ、重量アップに合わせてスプリング、ショックアブソーバーを若干強化し、スタビライザーも引き締める方向にセッティングしている。ノマドの車重はシエラより100kg重く、MTが1180kg、ATが1190kgだ。
ジムニーノマドは「FC」のワングレードで、価格は5速MTが265万1000円、4速ATが275万円。メーカーオプションはボディ色だけで、2トーンカラーが5万5000円、アークティックホワイトパールが3万3000円だ。
衝突被害軽減ブレーキが全車標準で、AT車には後退時ブレーキサポート、後方誤発進抑制機能も装備するほか40〜130km/hまで対応するACCも標準装備となる。
【画像ギャラリー】待った甲斐がありました!! スズキらしい&ジムニーらしいこだわりタップリのスズキ ジムニーノマド参上!!(28枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方