JAFのロードサービス出動理由(2023年度)を見ると、1位のバッテリー上がり(93万3421件)に次いで多いのがタイヤのパンク、バースト、空気圧不足などのタイヤトラブル。そこで、もしパンクしてしまったら、1本だけタイヤ交換すればいいのか? それとも前2輪、4輪ともに交換しなければいけないのか? もしスペアタイヤがなかったらどうすればいいのか、解説していこう。
文:ベストカーWeb編集部/写真: Adobe Stock(トビラ写真はNoGal@Adobe Stock)
パンク、バーストの原因は空気圧不足! 月に一度はチェックしよう!
JAFのロードサービス出動理由(2023年度)では、バッテリー上がりの次に多いのが、パンクやバースト、空気圧などのタイヤトラブルである。一般道路におけるタイヤのトラブルが全体の約20%なのに対し、高速道路は約40%と2倍以上。高速道路ではバーストが多くみられるとのことだが、それは高速で連続走行することによってたわみ(変形)が大きくなり、タイヤが発熱し、最後にはバーストしてしまう。これはスタンディングウェーブ現象と言われている。
このたわみの主な原因は空気圧不足だ。日本自動車タイヤ協会が4月8日のタイヤの日前後に行っている高速道路でのタイヤ点検結果を見ると、点検した乗用車29台のうち、空気圧不足が25台、偏摩耗が3台、タイヤ溝不足が1台見つかっている。
いかに適性空気圧で走っているクルマが多いかわかる結果となった。ちなみにタイヤの空気圧は1カ月に5%程度自然低下することがわかっており、燃費の悪化についても適正空気圧から50kPa不足すると、市街地では2.5%、郊外では4.3%、高速道では4.8%低下、つまりガソリン代に換算すれば4~7円高いガソリン代を支払っていることと同じとなる。
パンクやバーストする前に、ぜひ月に一度は空気圧チェックを、タイヤ販売店やガソリンスタンドなどで空気圧点検および補充を行いたい。
蛇足となるが空気圧の調整は、燃費や乗り心地にかなり有効。調整幅の目安は空気圧を上げるほうは最大0.2キロくらいがお勧め。これで高速道路だと0.05~0.1km/Lくらい燃費向上が期待できる(必ずではないが)。空気圧を下げるほうは、0.1キロ低くするだけで案外マイルドな乗り味が出てきます。
パンク修理できない場合はどんな状況?
まず、パンクしてしまったらパンク修理してそのまま使用できる場合と、タイヤ交換しなければいけない場合がある。パンクに気付くのが遅れてタイヤが潰れた状態で走ってしまったり、異物が刺さった場所がショルダー部やサイドウォールだったり、鉄板の破片など大きめな異物だった場合には、パンク修理ができない場合もある。
最近よく見られるスペアタイヤの代わりに搭載されるパンク修理剤は、液剤と電動コンプレッサーのキットで小さな穴には使えるが、あくまで応急用だ。その場では穴が塞がって走行可能になっても、タイヤ専門店などでタイヤをホイールから脱着して薬剤を除去して内側からしっかりパンク修理する必要がある。この時にサイドウォールが傷んでしまっていれば、安全のためタイヤを交換することを薦められるだろう。
ガソリンスタンドで行なってくれるタイヤの外側からパンク穴にゴムチップを差し込んで修理するのは本来、応急修理であり、完全な修理とは見た目の穴を塞ぐだけでなく、内側からパッチを貼ってキッチリと修理することなのだ。
なお、パンクしても走行可能なランフラットタイヤは確かに便利で安心なタイヤだが、いざパンクすると、そのまま走行したタイヤは修理不可能となるので、パンク修理としては高い出費を強いられる。
空気圧センサーなどの情報から、クルマがパンクの警告を発したらできるだけ早く修理することで、タイヤ交換の必要性から逃れることができるかもしれない。
ランフラットだからパンクしても100kmは走れるから大丈夫と、そのまま走行を続けてしまうのは、そのタイヤを捨てる覚悟で運転する、ということになる。
もし安全に駐車できる場所がすぐ近くにあるのなら、パンク修理キットを使って応急修理をした後、タイヤ専門店でキチンとパンク修理することでそのタイヤは継続使用可能にできるのだ。
コメント
コメントの使い方